米FRB、利上げサプライズ回避のため尽力=フィッシャー副議長

米連邦準備理事会(FRB)のフィッシャー副議長は19日、
近く実施される見通しの利上げについてFRBは十分な
コミュニケーションを取っているとの認識を示した。

副議長は、講演で「おそらく一部の主要中銀は比較的
近い将来に金利をゼロ付近から徐々に引き上げ始めるだろう」
と述べた。

明言は避けたが、副議長が言及した「主要中銀」の中に
FRBが含まれているのは明らかだ。

副議長は、利上げに関する最終決断はまだしておらず、
引き続きデータを精査するとした上で、利上げに動く際に
市場や政府を驚かせないよう尽力してきたと述べた。

他の中銀関係者がしばらく前からFRBに行動を
促しているとし、このことは彼らの準備が整ったことを
示していると指摘した。

また、利上げの可能性が高まる中で、連邦公開市場委員会
FOMC)での議論を面白く感じていると述べた。

副議長の講演は、大部分がアジアの成長に関する内容で、
輸出への依存を低減し、より豊かな経済へと移行するなか、
その成長は引き続き緩やかになるとの見通しを示した。

また中国について「当面、世界の他の国よりも
速いペースで成長し続ける見通しだ」と指摘した。

一方、中国の景気減速が引き続き、金属や他の商品の
価格に対する下向きの圧力になるとの見解も示した。

原油価格見通しについては先進国の1人当たり消費量が
増加傾向にあり、上向きの圧力を与える可能性が
あることから不透明感が増しているとの認識を示した。

利上げの可能性が高まる中で、連邦公開市場委員会
FOMC)での議論を面白く感じていると述べた。

同副議長はまた、2014年にFRB副議長に就任した同氏は
サンフランシスコ地区連銀主催の会合で「この仕事を
面白いと感じるにはしばらく時間がかかった」と発言。

「1年にわたって、政策金利を変更する意思を持たず、
他の誰にもその意思がないことを知りながら、2日間の
政策決定会合に出向くことは刺激的ではない」とし、
「でも今は刺激的で面白くなっている。議論の質は
非常に素晴らしいと感じている」と述べた。