日銀、CPI発表日に日銀版コアコア指数など公表へ

日銀は20日、新たな各種物価指数を
定期的に公表する方針を明らかにした。

総務省消費者物価指数(CPI)を公表する同じ日の
午後2時に、物価の基調を見極めるため日銀が
独自試算する「生鮮食品とエネルギーを除く指数
(日銀版コアコアCPI)」、「上昇品目数と
下落品目数の比率」、価格変動の大きい上下10%の
品目を除いて算出する「刈込平均値」を公表する。

CPI公表から2営業日後には、物価上昇率ごとに
品目を分類した時に品目数が最も多くなる「最頻値」、
物価上昇率の高い順に品目を並べると真ん中にあたる
中央値に、品目ごとのウエートを加味した
「加重中央値」を公表する。

原油価格の下落により、従来日銀が金融政策の運営の
目安としてきた生鮮を除くコアCPIは前年比マイナスに
留まっている一方、食品や日用品などを集計した
東大日次物価指数は前年比1.5%前後の水準まで
上昇するなど、品目ごとの価格の動きがかい離しており、
物価の基調が見極めにくくっているのが背景にある。

このため日銀は20日、様々な物価指数の
特性を比較衡量した2つのリポートを公表した。

一つめのリポートは、日銀の調査統計局によるもので、
コアCPIや日銀版コアコアCPIなど値動きの大きな品目を
除去した指数の方が、日本経済の潜在的な供給力に対する
需要の過不足を示し、景気の良し悪しを反映するとされる
需給ギャップの動きと連動する度合いが大きいと
結論づけている。

もう一つのリポートは、日銀で金融政策を担当する
企画局の白塚重典・政策調査課長が執筆。

各種指数の過去10年間の動きを
分析し、基調的な物価変動を推計。

基調的な動きにもっとも近いのは
コアCPIと刈込平均値とした。

同時に、足元は原油価格の急落がかく乱要因として
作用していると判断し、足元では、コアCPIが
基調的な動きを必ずしも反映していると言い難く、
基調的な動きを把握するには日銀版コアコアCPIの
動きなども見る必要があるとしている。