インフレ回復へ行動の用意、QEは調整可能=ドラギECB総裁

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は20日
資産買い入れプログラムと中銀預金金利の調整を
利用可能なツールとして指摘し、インフレ率を
押し上げるために早急に措置を講じる用意が
あることを示唆した。

フランクフルトで開催された会合で講演した。

ユーロ圏インフレ率は目標の2%弱を大幅に
割り込んでおり、総裁は12月3日の理事会での
追加緩和に向け強いシグナルを送った格好だ。

会合には、超緩和政策に反対している
イトマン独連銀総裁も出席。

同じくECBに対して批判的な
ショイブレ独財務相も後に講演する予定。

ドラギ総裁は講演で「目標を達成する上で
現在の政策が十分でないと判断すれば、
インフレ率をできるだけ早急に引き上げるため、
やるべきことをやる」と表明。

12月3日の理事会で決定すると付け加えた。

ECBは今年3月から、主に国債を月額600億ユーロ
(約640億ドル)購入する資産買い入れプログラム、
つまり量的緩和QE)を始動。

ただ、インフレ率は10月は
0.1%と低迷が続いている。

ドラギ総裁はQEについて、ユーロ圏企業の
借り入れコストを引き下げたなどとして擁護。

その上で、刺激効果を一段と高めるために、
規模の拡大や期間の延長、構成の変更が
可能との見方を示した。

総裁は「資産買い入れプログラムは、強力
かつ柔軟な手段であり、スタンスをより緩和的に
するため、規模や構成、期間を調整できる」と強調。

中銀預金金利の水準をめぐっては「APP
(資産買い入れプログラム)の波及効果を
高めることが可能」との認識を示した。