円、対ドルで11カ月ぶり117円台に

サウジアラビアとイランの国交断絶、これだけでも
大きなニュースなのに、6日に、北朝鮮が核実験を
行ったことが明らかになるなど、年明け早々、
大きなニュースが流れています。

為替市場では、リスク回避の円買いが強まり、
7日の東京市場では円が対ドルで一時117円台に
上昇しました。

この水準は、2015年2月6日以来、
約11カ月ぶりの円高値圏となります。

また、円は対ユーロでも一時127円台前半に
上昇するなど、一連の大きな材料は、リスク回避の
円買いという形で表れています。

中東での不安定な動きは原油価格動向に影響を
与えることで、本来なら円にとっては悪材料と
見られます。

しかし、サウジアラビアOPECでの主導権を
握れないとの読みなどを材料に、中東情勢の
緊迫化にも関わらず、原油安が描かれないことで、
円にとっての弱材料とならないのではないか
との見方に繋がっています。

また、北朝鮮での核実験実施は、極東アジア
不安感を与えるとの読みから、円にとっては
悪材料になるのですが、こちらもリスク回避の
円買いという形になっています。

この中、今週発表される米雇用統計は、
材料にしにくいものと思われます。

米雇用の順調な回復を見せても、この程度は
織り込み済み、ということになりそうです。

むしろ、予想を下回るようなことになると、
米経済に対する不透明感が広がり、
ドルにとっては大きな売り材料になる
可能性があります。

年明け以降の大きな材料が、足元の為替市場に
大きな影響を与えるのは間違いなく、実際に
北朝鮮が暴発するようなことが無い限りは、
円はリスク回避で買いを集めると思います。

対ドルで116.20円を上回るようなことがあれば、
次の円高メドは112.20円を意識していくと
考えています。