マイナス金利策の影響は

今週の為替相場は、日銀が初のマイナス金利策を
導入した影響がいつまで続くか、関心が集まるものと
思います。

FOMCでは、金融政策の変更は行われず、
3月の金融政策変更も慎重な表現で、
その可能性については、決めつけることが
出来ないものとなりました。

原油価格の下落や株価の下落など、
金利引き上げについては、FRB
躊躇しているような感じがしています。

市場は、FRBは色々な材料を見極めて、
3月の金融政策を決めると見ています。

それまでは、発表される経済指標、あるいは
FRB高官の発言を睨みながら、金融政策の
変更のある、なしを見極めていくものと思います。

一方、日銀は金融政策決定会合で、
初のマイナス金利導入を決めました。

原油価格の下落などで、物価の上昇が
鈍いことで追加緩和を余儀なくされた
との見方ができます。

しかし、それ以上にアベノミクス
牽引していた、甘利経済再生相が
「政治とカネ」の問題で、大臣を辞任したことで、
アベノミクスの先行きが危うくなる、そんな配慮が、
今回の日銀の金融政策変更を促したとの見方も出ています。

日銀の金融政策決定会合では、5対4の僅差で
マイナス金利導入が決まったことでも、
黒田日銀総裁の焦りが窺えるような感じがします。

急に、マイナス金利導入を決めた、
そんな印象が強い、政策金利変更だと思います。

ただ、この政策変更を受けて、
為替市場では円が急落。

対ドルでは、円は一時121円台に
下落しました。

原油安や株安を受けて、円は対ドルで
120円台にはなかなか届きませんでしたが、
日銀のマイナス金利導入で、あっさり
120円台に乗せる動きを見せました。

米国は利上げの可能性が残り、
日本はさらなる緩和の可能性がある。

金融政策の方向で、日米が真逆の方向を
向いていることが鮮明になったことから、
ドル買い・円売りに傾いてきているのです。

問題は、この流れがどこまで続くかです。

足元の円安の理由は、日銀による
マイナス金利だけです。

大きな要因には間違いないのですが、
株価、原油価格、中国経済、世界経済の
不透明感、欧州中銀の追加緩和等々、
大きな要因はたくさん控えています。

甘利経済再生相が、辞任に追い込まれたことで、
慌ててマイナス金利導入を決めたことを市場は
見透かしているような感じがします。

さらに、今週発表される
米雇用統計の行方も要注意です。

非農業部門の新規雇用は
20万人増が予想されています。

これが20万人を割り込むようなことになると、
大きな材料になる可能性があります。

1月の雇用統計は、過去に遡って修正される
可能性があり、非農業部門の新規雇用が
冴えない動きを見せるとパニックを
引き起こすことには注意したいと思います。

まずは、日銀のマイナス金利導入の
影響を見極めたいと考えます。

予想レンジは、
ドル円が116.20〜122.20円、
ユーロ円が126.20〜132.20円、
英ポンド円が166.20〜174.20円、
ドル円が78.20〜87.20円。