米、追加利上げの有無を注目
今週の為替相場は、16日に開催される米FOMCの金融政策を注視するものと思います。
年初来の国際金融市場の混迷から、3月の米利上げの可能性は遠のいたとの見方が支配的となっています。
米FRBの高官からも、利上げについて慎重な見方が出てくるなど、とりあえず市場は、米国の追加利上げはないという結論に達しているようです。
ただ、先週、ECBが追加金融緩和を行ったとの記者会見で、ドラギ総裁が次の緩和の可能性について否定的な見解を示したことから、為替市場ではユーロが上昇する動きを見せました。
ECBの次の金融政策は、緩和ではない、総市場が思ったことで、とりあえずユーロ買いが強まったわけです。
今週は、米国が追加利上げを行わない、そんな見方が支配的となる中で、ドルを積極的に買う材料も今のところ見られないのです。
ただ、原油価格が底を打ったとみられなど、これまでの原油安、株安の流れが大きく変化する可能性が出てきたわけです。
となると、ドルは上昇する余地があるということなのですが、まだその動きは見られていません。
今は、ユーロが底堅い動きを見せており、ユーロの力強さが先行して、これが一巡した後に、ドル買い安心感が広がる可能性が出てくると思います。
原油価格動向についても、決して安心感だけがあるわけではありません。
再び原油価格が大きく下落する可能性は残っていると思います。
ユーロについても、ECBの緩和策がなくなったとの見方が広がれば、決してユーロ買いに反応する動きが続くと考えられません。
ECBの大幅追加緩和を検証して、さらに次の策として何があるのか、ないのか、それを慎重に探る動きが続くものと思います。
日本も日銀の金融政策決定会合がありますが、前回のマイナス金利導入時は僅差で、導入が決まった経緯を考えると、今回はマイナス金利導入の検証が行われると思います。
結果として、追加緩和の可能性は遠く、金融政策で、為替相場が動揺することは考えにくいと思います。
予想レンジは、ドル円が110.20〜115.20円、ユーロ円が123.20〜129.20円、英ポンド円が158.20〜165.20円、豪ドル円が81.20〜88.20円。