円、上値を意識か

今週の為替相場は、円の上値を
意識する展開が予想されます。

先週発表された日米の経済指標は、
どちらも円買い材料になりました。

米国の雇用統計は、非農業部門の
新規雇用者は20万人台に乗せましたが、
2カ月連続して予想の下限にとどまりました。

また、失業率は5.0%と
前月に比べ0.1%悪化しました。

米雇用統計は、全体として堅調になりましたが、
これで4月の利上げは難しいという結論に達した
わけです。

一方、日銀短観は予想通りに
景況感が悪化しました。

特に、今回は大企業製造業・非製造業、
中小企業製造業・非製造業ともに悪化しました。

企業の景況判断は、より慎重に
なっていることを印象付けました。

この結果、平均株価は
大きく下落しました。

株価の下落が、円を
買い上げる動きに作用したのです。

米国の利上げが遠退いたとの見方は、
対欧州通貨でドル売りに結び付きました。

結果として、円は欧州通貨で
値を下げました。

その後は、対ドルで円が上昇し、
対欧州通貨でも円を買う動きが強まり、
一時の円安から、円を買い戻す動きが
見られ始めました。

この動きが今後強まる可能性があります。

4月には、新年度の対外証券投資が始まり、
円を売る動きが強まるのですが、米国の
利上げが遠退くなかで、新年度入りの
対外証券投資が円売りの主要な柱になるのか、
円の上昇の抑制要因になるのか、
注目したいと思います。

特に、欧州通貨で売られ過ぎの感があった円が、
今回の巻き戻しの場面で、円がどこまで値を
戻すのか、注目したいと思います。

予想レンジは、
ドル円が108.20〜113.20円、
ユーロ円が124.20〜129.20円、
英ポンド円が154.20〜160.20円、
ドル円が83.20〜88.20円。