ECB、6月に社債購入開始

欧州中央銀行(ECB)21日、6月にユーロ圏の
社債購入を開始すると発表した。

買い入れは発行市場と流通市場の双方で行い、
ECBが現在実施している月額800億ユーロの
資産買い入れプログラムの一環として実施される。

ただ対象となる社債が十分に確保できるか
懸念もあるため、毎月の社債買い入れ額は
設定せず、柔軟な運用を行う。

買い入れ対象はユーロ圏に本拠を置く企業が
発行する社債で投資適格級の格付けを受けているもの。

銀行、及び銀行の傘下企業が発行する社債
対象外となるが、傘下に銀行を持つ企業の
社債は対象に含まれる。

このほか、償還までの期間が6カ月〜30年であること、
ECBによる資金供給の担保利用の要件を満たすもので
あることを条件とする。

また、買い入れ限度はそれぞれの
社債の70%までとする。

実際の買い入れはスペイン、イタリア、フランス、
ドイツ、ベルギー、フィンランドの各国中銀が実施。

ただ、買い入れに伴うリスクは
ユーロ加盟国全体が負う。

ECBによる社債買い入れについて、発行企業が
デフォルト(債務不履行)に陥ったり投資適格級格付けを
失ったりした場合、ECBのバランスシートが毀損する
との懸念も出ている。

ECBも声明でこうしたリスクを完全に
払拭することはできないとの認識を表明。

ポートフォリオの多様化を促進し歪みを
最小限に抑えるため、発行済み社債
反映するベンチマークを設定するなどの
措置をとるとした。