ドラギECB総裁、金融緩和は必要な限り継続

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は21日開いた
理事会後の会見で、利用可能なあらゆる緩和手段を
「必要な限り」続ける意向を表明した。

ドイツではECBの金融政策に対する批判が
高まっているが、中銀の独立性に対する
政治介入を拒む姿勢を鮮明にした。

理事会では、予想通り金融政策の
据え置きを決定した。

総裁は、ECBの金融緩和政策は「機能しており
効果的」とし、完全な効果を発揮するまで
待つべきと述べた。

世界の不確実性は根強いとし、「適切な水準の
金融緩和策を必要な限り維持することが極めて
重要」との認識を示した。

またインフレ率は2%弱とする目標から
依然程遠いと重ねて強調、ユーロ圏は
引き続き様々な域外のリスクに直面しているとし、
大規模な資産買い入れ策やマイナス金利の実施に
踏み切っていなければ、状況はさらに悪化していた
との考えを示した。

インフレ率は今後数カ月にマイナスとなる
可能性があるとし、低インフレに忍耐強く
対応する必要があるとも述べた。

総裁はまた、月額800億ユーロの資産買い入れ策の
一環として、6月から社債の購入を開始することを
明らかにした。

起債、流通の両市場で実施するとした。

ただ公共事業に関連している企業が発行した
債券については起債市場の買い入れ対象外となる。

景気支援策として市民に直接現金を供給する
「ヘリコプターマネー」をめぐっては、理事会で
協議しなかったと述べ、検討するのでは
との憶測の火消しに努めた。

総裁は3月、利下げ打ち止めを示唆したが、
今回は「金利は現行か、これを下回る水準に
長期間とどまる見込み」と述べるにとどめた。

ただ、こうした政策は将来的に金利
より高い水準に戻るのに必要との認識を示した。