円、下値の堅い動きか

今週の為替相場は、週末の先進7カ国首脳会議(G7)を
睨みながら、円は下値の堅い動きとなるものと思います。

仙台での主要7カ国財務相中央銀行総裁会議(G7)では、
米政府高官が、円相場について「秩序立った状況にあると
引き続き考えている」と語り、円高を懸念する日本の為替介入を
改めてけん制しました。

麻生財務相の記者会見では、この点は言及されず、
景気を下支えするため財政、金融、構造改革といった
政策手段を総動員する「国際版3本の矢」で協調することが
確認されたとしましたが、引き続き米国サイドは円相場は
秩序だった流れの中にあるとして、日本の円売り介入を
けん制する姿勢を示しています。

日本サイドは、急激な動きには為替介入で対抗しようと
する声が出始めていますが、米国がいち早くそのような動きを
阻止する姿勢に出ているわけです。

この動きが国際的な流れになると、
日本は為替介入は行いにくくなります。

どの程度までが秩序だった動きとなるのか、
不透明なのですが、少なくとも100円台は
秩序だった動きと言えそうです。

そうなると、日本の介入を想定して、ドル買い・
円売りを行っていた投機筋は、日本がどの水準に
なったら介入を行うのかを試す動きを強めることも
あると思います。

今週は、伊勢・志摩サミット控えていることで、
大きな動きは出にくいと思いますが、介入を
試す動きは遠からず出てくると考えます。

また、米国では6月の利上げの可能性が
出ていることなど、金利差拡大でドルが
買われる理由も出てきています。

今後年2回の利上げを想定すると、6、7月に1回、
大統領選挙後に1回で合わせて2回の利上げの可能性が
出てくると思います。

110円台にドルが上昇した場面で、1回の米利上げは
織り込んだものと思います。

6月は、英国でEUからの離脱の有無を決める
国民投票が行われます。

これは、ユーロや英ポンド、他の欧州通貨にとって
大きな影響を与えるものと思います。

今後、為替相場の動きを決める大きな材料が
出てくる可能性が大きく、市場はそうした動きに
備える状況になっています。

目先の円の下値が110円台にとどまるのか否かを
占う週になると思います。

予想レンジは、
ドル円が106.20〜111.20円、ユーロ円が118.20〜125.20円、
英ポンド円が154.20〜162.20円、豪ドル円が74.20〜82.20円。