金融政策、ユーロ離脱思惑が材料に

今週の為替相場は、各国の金融政策と
英国のユーロ離脱を巡る国民投票に関心が
集まることになると思います。

先週末には、英国がユーロを離脱すると
他のユーロ圏参加国の中からも、ユーロ圏を
離脱する可能性があると、独財務相が指摘したことを
材料に、ユーロや英ポンドが急落する動きを見せました。

ユーロ円は一時119.92円まで、
英ポンド円は一時151.49円まで
急落する動きを見せました。

英国のユーロ離脱が、ユーロ圏を大きく
揺るがすとの読みが、欧州通貨売りに
つながったわけです。

実際に、英国がユーロ圏から離脱するのか否か、
現状では判断しにくいのですが、世論調査
結果が拮抗していることもあり、英国の
ユーロ圏離脱が意識されやすい展開となっています。

G7等でも、英国の行動に関心が集まっていますが、
概ね英国のユーロ圏離脱には反対する声が
強まっているようです。

また、今週は各国で金融政策を
決める会合が目白押しです。

米国のFOMC、スイス中銀、イングランド銀行
そして日本銀行が金融政策を決める会合を開催します。

米国は、雇用統計を受けて、イエレンFRB議長が
足元の利上げに否定的な見方を示したことで、
今回の利上げは見送られるとの見方が大勢を
占めています。

欧州の中央銀行は、英国のユーロ圏離脱を
巡る思惑が高まっている中で、金融政策を
動かすことは考えにくいと思います。

万が一、英国が離脱を決めた後の金融市場の
混乱に対応するために、金融政策を動かす
可能性がありますが、6月23日の英国の
国民投票までは様子見になるような気がします。

日本では、じりじりと円高が進んでいますが、
米国がいまの水準は安定している水準と
指摘しているだけに、円安を誘うような
金融政策の変更は行いにくいと思います。

日本では、7月10日に参議院選挙の投票を
控えていることもあり、その前に金融政策を
変更することは考えにくいと思います。

歴代の日銀総裁も、政治的な動きとみられるような
金融政策の変更は行っておらず、日銀総裁の座を
懇願して日銀総裁の座に就いた黒田日銀総裁も、
政治的な金融政策の変更は回避すると思います。

となると、対欧州通貨、対ドルで
円はじりじりと上昇する動きが予想されます。

日本からは口先介入が強まるものと思いますが、
市場は円の上値めどを探る動きをする可能性が
強いと思います。

予想レンジは、
ドル円が102.20〜108.20円、
ユーロ円が116.20〜122.20円、
英ポンド円が147.20〜154.20円、
ドル円が74.20〜82.20円。