金融政策、テロ不安が大きな材料に

今週の外国為替市場は、各国の金融政策とテロ不安が
大きな材料として意識されることになりそうです。

先週は、日本が金融緩和を行うとの見方が広がる中で、
円は対ドルで107円台に下落、さらに対欧州通貨でも
英国のEU離脱問題が一応の落ち着きを得たことで、
それまでリスク回避で買われていた円が大きく値を崩す
展開となりました。

しかし、黒田日銀総裁がヘリコプターマネーの実施を
否定したことから、日本の金融緩和が遠のいたとの見方から、
円を買い戻す動きが強まりました。

さらに、ドイツでテロとみられる銃撃が起きて、
8人が射殺されたとの報道が流れると、欧州通貨が
大きく下落しました。

依然として、テロの恐怖が欧州を
支配しているような感じになっています。

特に、フランスニースでのテロを境に、
組織的というよりは、一人で行うテロの恐怖が
強まっており、こうした事態はどこでも起こる
という恐怖が一段と広がっています。

今週は日銀が金融政策決定会合を開くほか、
米国でもFOMCが開催されるなど、日米の
金融政策に関心が集まることになりそうです。

日本では、日銀の追加緩和に市場の関心が
集まっていましたが、円が一時の上昇から
落ち着きを見せていることで、追加緩和期待が
やや遠のいています。

今、日銀が追加緩和に動く理由が
見当たらないと思われます。

100円を常態的に超えるような円高であれば、
追加金融緩和を行うタイミングを計る可能性が
強いと思いますが、今程度の水準では、
何か策を行う必要はないと考えます。

一方、米国ではFOMCが開催されます。

最近の経済指標が好調なことや、英国のEU離脱
ショックが落ち着きを見せていることなど、
米国の利上げの可能性を窺う動きが強まる
ものと思います。

9月のFOMCで利上げがあるのか否か、
FRB議長の発言等で、その可能性を
探りたいと考えています。

本来なら、不確実なことが多く、金融政策を
決めることは難しいと考えるのですが、今は、
米国が一番という声が米国では強まっているようで、
米国だけの理由で利上げを行いたいとの考え方が
強まるような感じがします。

しかし、世界の経済、政治の状況は不透明感が強く、
米国だけの理由で利上げを模索するのは難しいと思います。

一方、欧州では、テロのレベルが格段に拡大しています。

これまでは、組織がその中心でしたが、
今は個人が中心になっています。

つまり、どこを守れば良いのか、
どこでテロが起こるのか、、わからない状況です。

この中で、社会状況の不透明感が、金融市場にも
悪影響を与える確度が一段と強まっているような
感じがします。

少なくとも、欧州通貨は積極的に買えない、
そんな動きが続くものと思います。

まずは、日米の金融政策、次いで欧州、
他の地域でのテロについて、注視していきたい
と考えます。

予想レンジは、
ドル円が102.20〜108.20円、
ユーロ円が112.20〜118.20円、
英ポンド円が134.20〜142.20円、
ドル円が74.20〜82.20円。