米利上げ後のドル上値を確認へ

今週の為替相場は、引き続きドルが
底堅い動きを継続するとみています。

米国が利上げを決定、さらに来年の利上げ回数が
3回なる可能性が強まったことを材料に、ドルが
対円で118円台後半まで上昇する動きを見せました。

しかし、ドル買いも続かず、結局118円前後で
週末のNY市場の取引を終えています。

ドルが大きな節目とみられる水準を次々と超える中で、
118円台をあっさりクリアしたことで、120円大台は
ドル買いの抵抗線とならないことは明らかになりました。

「2、8」の減速によると、次の大きな壁は122円となりますので、
120円大台は通過点となる可能性が強いと考えています。

特に、来年の米国の利上げ回数が当初の2回ではなく、
3回になる可能性が強まったことが、ドル買いの
新たな材料になったことで、ドルは買いやすい通貨に
なったようです。

これに加えて、トランプ次期大統領の経済政策が
ドル買いを支えるものとなっていることもあり、
トランプ次期大統領がドル安に対する懸念を
示さない限り、ドル買いを模索する動きが
継続するものになると考えています。

今週、来週は、年末相場の様相を強めるものと思います。

欧米市場では、今週末から来週初にかけて、
クリスマス休暇が強く意識されます。

市場の動意が乏しくなる中で、市場の動きは
鈍くなることが予想されます。

例年、この時期は欧米投資家や金融機関等が、
利益送金の円売り強める一方で、わが国輸出業者等が
円買い要因となる為替予約を強める動きが出ます。

12月前半が円売り、12月下旬にかけて
円買いが強まる動きとなります。

市場の同意が鈍い中で、予想外の円売り・円買いが
持ち込まれて、為替相場が動揺することは何度も見ています。

以前ほどの動きは見られないかと思いますが、
そうした要因を意識する必要がありそうです。

結局、118円を超えて、ドル買いの動きがどこまで
強まるのか否かが、相場の方向性を決める大きな要因に
なると考えます。

順調にドルが買われていけば、120円でドル買いは
止まらないことには留意する必要があるのかも知れません。

為替相場は、3週間、あるいは3カ月タームで同じ方向に
続くという流れが過去にあったことを考えると、3週間は
すでに過ぎたので、来年2月ぐらいまでは、ドル高方向の
動きが続くということになります。

年末年始の乱高下がなければ、基本、ドル買いが
為替市場の大勢との見方が出来るのかもしれません。

その時に、120円をクリアして、130円まで
ドル高・円安が続くとの見方は、出来にくいと
思います。

日本側は、何もしなくても円安が進むので、
黙っていればよいのですが、米国以外の欧州から
円安放置に対する批判的な声が強まると考えます。

先進国、あるいは新興国から、日本の革製政策に
対する批判が出るまでは、ドル高の地合いを続くと
考えたくなります。

少なくとも、今回の円安を阻止する発言は
日本側から出ないと考えています。

トランプ次期大統領も、実際に大統領にしていない状況で、
為替相場に対する発言は出てこないと思います。

この空白期間に、どこまでドルが上昇するのかが、
今後の大きな注目材料となるとみています。

予想レンジは、
ドル円が114.20〜122.20円、
ユーロ円が118.20〜126.20円、
英ポンド円が144.20〜152.20円、
ドル円が83.20〜87.10円。