ドル相場、不安定な動きを継続か

今週の為替相場では、ドル相場は
引き続き不安定な動きを継続するものと思われます。

トランプ米大統領の強硬な発現が、世界経済に
不透明感を与える状況には変化はないと思いますが、
少しずつトランプ大統領が何を考えているのか
見えるようになってきました。

注目された日米首脳会談も、懸念されていた
日米全面対決のような事態とはなりませんでした。

日米ともに、同盟関係の強化など、当初懸念されていた
日米離反の恐れもなく、日米首脳会談のスタートとしては、
上出来な展開となった模様です。

しかし、日米貿易問題は永遠の課題になりそうです。

日米の貿易問題は、過去も現在も、
未来も大きな壁となりそうです。

そうした流れれを今回の日米首脳会談では、
確認したのだと思います。

それが日米にとっては、大きな前進に
なっているような感じがします。

オバマ前大統領と違って、『実利』を追求する
トランプ大統領にとっては、日米関係も勝ち負け、
そんな思いで日米の交渉は続いていくのだと思います。

となると、日米首脳の友情は別にして、
日米貿易問題は続くと考えます。

その時々によって、為替が問題になることもあり、
日本に対して厳しい姿勢で米国が臨むこともあるのだ
と思います。

為替市場は、そうした緊張感を睨みながら、
ドル高に振れたり、ドル安に振れるそんな展開が
予想されます。

しかし、今は、トランプ大統領が米国を元気づける
減税策を優先し、それが米株価の上昇、さらには
ドル買いにつながる可能性が大きいと思います。

トランプ大統領が、円安に対して、あからさまな
批判をしない限り、円が大きく上昇する動きは
考えにくいのではないかと思います。

ただ、ドル買いも限定的であるのも明らかです。

為替相場に対し、極端なドル高(円安)、
ドル安(円高)に振れることは考えにくいのでは
ないでしょうか。

その意味で、ファンダメンタルズを中心にした動きが
想定される可能性があるのではないかと考えられます。

とはいえ、依然としてトランプ米大統領
発言次第の感は抜けきらないと思います。

これに対し、欧州情勢が不透明な状況であり、
ユーロや英ポンドの動きが気掛かりです。

欧州からの英国の離脱問題、欧州での右翼勢力の
台頭など、これまでの動きが大きな変化が出ています。

欧州でも一国至上主義が強まれば、
欧州の分れが意識される可能性があります。

そうなると、ユーロは買える通貨ではありません。

英ポンドもEU脱退に伴う混乱が想定されれば、
大きく下落する可能性があります。

ユーロ、英ポンドの対ドルでの動きが、
円に与える影響は少ないと思います。

予想レンジは、
ドル円が110.20〜115.20円、
ユーロ円が116.20〜124.20円、
英ポンド円が136.20〜144.20円、
ドル円が82.20〜88.20円。