米利上げ、織り込み度は50%

今週の為替相場は、3月14、15日の米連邦公開市場委員会
(FOMC)での利上げを50%程度織り込んでいることで、
ドルの下値が堅い展開になると思われます。

当初、米議会証言でイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が
足下の利上げについて、市場に確信を与えない発言を行ったことで、
3月の利上げの可能性は薄いとの見方が強まりました。

市場は、5月、あるいは6月の利上げを意識していました。

しかし、足下のイエレン米FRB議長の発言で、
3月の利上げの可能性が強まってきました。

市場は、3月も含めて、年3回の利上げの
可能性が強まった見ています。

米国の利上げの可能性が強まるなかで、ドルは円に対して
114円台に上昇しましたが、これは米議会証言で早期の
米利上げは遠退いたとの見方が広がり、ドルが下落したことの
反動だと考えます。

114円台で、利上げ期待が剥落した分を
取り戻したことになるわけです。

つまり、114円台は利上げに向けたスタートラインという
ことになるわけです。

市場は、今回の利上げ幅は0.25%と見ています。

今回、イエレン議長が丁寧に利上げについて説明したことからも、
利上げ幅は0.25%にとどめるのではないかと見られています。

市場に、動揺を与えないことを注力していると思います。

以前、FRB金利の引き上げ、引き下げの幅は0.5%でしたが、
グリーンスパンFRB議長の時代に、市場との対話を大事にする
という観点から、利上げ幅、利下げ幅を0.25%と小刻みなものに
したのです。

小幅にすることで、市場に動揺を与えないことを主眼にしたのです。

さらに、特定のメディアに、金融政策変更の可能性について、
市場に知らせることもしていたとの見方も流れていました。

市場との対話を重視したグリーンスパン氏の
面面目躍如というところでしょうか。

市場は、利上げを50%織り込んでいるので、
利上げが0.25%で実施された場合の市場の動揺は少なく、
ドル買いも117円程度にとどまる可能性があります。

これが0.5%で利上げが実施された場合には、
118円〜120円程度上昇する可能性に留意したいと
思います。

逆に利上げがなかった場合は、失望感が強まり、
110円前後の水準を押さえておきたいと思います。

FOMC前の週であることで、金融政策の不規則発言がでると、
乱高下する可能性には注意したいと思いますが、大きな材料を
前に、動きにくい展開が続く可能性が強いと思います。

引き続き、トランプ米大統領の不規則発言、
欧州の政治・経済情勢には注意を払いたいと思います。

予想レンジは、
ドル円が112.20〜128.20円、
ユーロ円が118.20〜124.20円、
英ポンド円が136.20〜142.20円、
ドル円が84.20〜90.20円。