米国発の材料を注目へ

今週の為替相場は、米国発の材料を見極める動きが
強まると思います。

米国では、トランプ大統領貿易赤字縮小に向け、
不公正貿易の調査などを商務省に命じる大統領令
署名したことで、貿易問題が激化する動きが
想定されます。

また、米通商代表部(USTR)が外国の貿易障壁に
対する報告書を発表し、日本に対しては、農業分野の
関税・非関税障壁などを批判しており、日米貿易摩擦
再燃が予想されます。

また、米貿易赤字が最も多い中国についての批判も
大きいのですが、今週はトランプ大統領のフロリダの別荘で、
米中首脳会談を行うこともあり、その場所で、何らかの
取引が行われる可能性があります。

米中問題は、極めて政治的な取り扱いが行われるでは
ないかとみています。

日本に次いで、中国首脳をフロリダの別荘に招くのは、
それなりの意味があるとみています。

優秀なビジネスマンと言われているトランプ氏にとって、
安倍首相を掌で踊らしたように、周主席も躍らせることが
出来る、そんな思いで、別荘に招いていると思います。

中国が提案している、太平洋を米国と中国が二分して、
支配するという妄想に、トランプ氏も心を動かせられている
感じもしています。

直接会って、米国にとっても、中国にとっても都合の良い、
支配を確立することを決めることが出来る可能性が強いと
考えていると思います。

そうなると、貿易白書や貿易に関する大統領令で、中国が
厳しく指摘されているとみられていることも目くらましに
なる可能性があると考えます。

米国にとって、中国は利用できる大国と映っているのかもしれません。

そうなると、今回の米中首脳会談では、米中の貿易問題は
大きなものにはならないと思います。

むしろ、米中の政治的結びつきを強める会談と位置付けた方が
わかりやすいと考えます。

とは言え、市場は、貿易問題を強く意識しています。

トランプ米大統領の選挙公約を実行する、その大きな
足がかりとして、大統領令の発令は大きな意味を持つと
考えているようです。

さらに、入国禁止令を発令したように、国内からの
反発は少ないと思います。

逆に、米国の貿易赤字を解消するためには、
大統領令は歓迎されると考えます。

そのための米中首脳会談の意味合いもあるので、
優秀なビジネスマンとしては、それなりの効果が
あがったものにするとも思われます。

国内受けも良くて、中国に対しても、一方的な
通告にはならない、上手な交渉を行うのではないでしょうか。

そうなると、そこにいなかった日本に対する批判が
強まることを危惧します。

日米貿易摩擦は、避けられない、そんな見方が市場で
強まると、ドル円相場に大きな影響を与えるのではないか
とみています。

また、米国の利上げのテンポについても緩やかな利上げを
想定する声が強まし、為替市場ではドルが大きく売られる
要因となりました。

こうした流れは、今週も継続するのではないかと考えます。

米国の利上げをきっかけに、利上げのtennpoテンポが早まると、
ドルが買い戻された動きを見ていると、逆の話が出てきたことで、
ドルの動きも変化があるのではないかとみています。

この中、今週は日本では、日銀短観の発表があります。

業況判断DIは、前回を上回るものと見られていますが、
これが円を買う材料にはならないと思います。

日本では、政治的状況が政府にとって厳しくなっていますが、
これも円にとっての大きなマイナス材料にはなっていません。

米国や欧州などの動きが、円相場に大きな影響を与える
動きには変化はありません。

米中首脳会談や、トランプ大統領の発言、欧州情勢などが、
円相場にとっては大きな材料になる流れが続くことになりそうです。

予想レンジは、
ドル円が108.20〜113.20円、
ユーロ円が115.20〜120.20円、
英ポンド円が135.20〜141.20円、
ドル円が82.20〜88.20円。