仏大統領にマクロン氏、史上最年少の39歳

今後の欧州連合EU)の行方を占うフランス大統領選は7日、
決選投票が行われ、中道系独立候補のエマニュエル・マクロン
前経済相(39)が極右政党・国民戦線(FN)の
マリーヌ・ルペン候補(48)を破り、当選しました。

内務省の開票結果(開票率93%)によると、得票率は
マクロン氏が65%、ルペン氏が35%です。

EU離脱を主張したルペン氏の敗北で、歴代政権が続けてきた
「親EU」路線は維持されることになりました。

マクロン氏は1848年の第2共和政発足時に40歳で大統領に
就任したナポレオン3世の記録を塗り替え、仏史上最年少の
大統領となります。

マクロン氏は演説で「すべての国民の声に耳を傾けることが
私の責務だ」と勝利宣言しました。

ルペン氏はマクロン氏について「重大な試練を前に成功することを
願う」と述べ、敗北を認めています。

選挙戦では高止まりする失業率や相次ぐテロを受け、
EU・ユーロ圏をめぐる路線や移民・難民の受け入れの是非が
焦点となりました。

既存政党への不満が高まる中、4月23日の第1回投票では
左派与党・社会党と右派野党・共和党の候補がそろって落選し、
2大政党不在の状態で決選投票が争われる異例の事態となりました。

マクロン氏は現行路線を維持しつつ、労働分野の規制緩和
はじめとする大胆な構造改革を推進すると主張した一方、
ルペン氏は、EU離脱や自国通貨の復活を通じて財政や通貨政策の
主導権を取り戻すとともに、移民の流入を制限して治安を改善すると
訴えましたが、及びませんでした。

投票率は75%前後となる見通しで、第1回投票の77.8%を下回り、
1969年大統領選以来の低水準となる公算が大きく、両候補の
いずれにも共感できず、棄権した有権者がいたとみられています。

マクロン氏は、オランド現大統領の任期が切れる今月14日までに
新大統領に就任し、15日から組閣に着手します。

任期は5年で、政権の要となる首相には、女性の起用も
視野に入れる考えを示しています。