トランプ米大統領、FBI長官を解任

トランプ米大統領は9日、連邦捜査局(FBI)の
コミー長官を解任しました。

ホワイトハウスによると、先の大統領選中、
民主党候補クリントン国務長官の私用メール問題に
関する捜査情報を公表したコミー氏の判断は「重大な誤り」
だったとして司法省が長官交代を進言、大統領も受け入れました。

大統領はコミー氏への解任通知で「FBIへの国民の信用と
信頼を回復できる新しい指導者を見つけることが不可欠だ」と
強調しています。

ただ、FBIは現在、トランプ陣営とロシア政府が結託して
クリントン氏の選挙戦を妨害したのではないかという疑惑を
捜査している最中で、民主党を中心に捜査妨害だと反発する声も
上がっています。

メール問題を捜査していたコミー氏は昨年7月5日、異例の
記者会見を開いてクリントン氏の不訴追を発表しましたが、
大統領選が11日後に迫った同10月28日には、新しい証拠が
見つかったとして連邦議会に捜査再開を通知しました。

いずれの対応も大統領選に不当な影響を与えたと批判を
受けましたが、コミー氏は5月3日の議会公聴会で「今でも
正しい選択だったと信じている」と語っていました。

ホワイトハウスによれば、ローゼンスタイン司法副長官は
セッションズ司法長官に宛てた覚書で、コミー氏の対応は
「検事や捜査官が教科書でしてはならないと教わる典型例」
と指摘し、「誤りだと認めないことも理解できない」と
公聴会での発言も批判しました。

これを受け、セッションズ氏は大統領への書簡で「FBIには
新鮮なスタートが必要だ」と助言し、大統領は声明に
「きょうが法執行機関の至宝の新しい始まりだ」と記しました。

発表に先立って大統領は民主党幹部にも電話し、解任の決断を
伝達しましたが、これに対し、シューマー上院院内総務は、
進行中の捜査が滞りかねないとの観点から「大きな間違いだ」
と懸念を伝えました。