ドルの上値は限定的か

今週の為替相場は、トランプ米大統領ロシアゲート疑惑が
払拭されない中で、ドルの上値は限定的になると思います。

米国では、FRBが今年後2回の利上げがあるとの見方が強まる中で、
最初の利上げは6月との読みが支配的となっています。

市場は、米国の利上げ観測を材料に、ドルが上昇する動きを見せました。

しかし、トランプ米大統領がコミーFRB長官を突然解任したことで、
先に解任されたフリン氏の疑惑が強まり、また、ロシア外相と
トランプ大統領との会談で機密情報を漏洩したとの報道が流れ、
ロシア疑惑が一気に噴出しました。

さらに、大統領選挙中のロシアとの親密な関係も取り沙汰され、
ロシアゲート疑惑が市場の大きな材料になりました。

さらに、この疑惑を捜査するために特別検察官が指名され、
時間はかかるかと思いますが、トランプ大統領の弾劾に対して、
米国では大きな材料になる展開が予想されています。

市場も、様々な疑惑が報じられながら、その材料に対する反応は
少なかったのですが、ロシアとの関係が次々に明らかになったことで、
トランプ政権の運営について、懐疑的な見方が強まりました。

為替市場は、こうした材料に敏感に反応し、株価が急落したこともあって、
ドル円は一気に110.20円までドルが急落する展開となりました。

今週も、この材料が強く意識される展開となると考えています。

もちろん、直ぐに弾劾とかの話にはならず、仮に弾劾に結びつくような話が
出てきたら、ドル売り、株売りが強まる可能性があると思います。

ただ、利上げが観測されている6月が近づく中で、ドルの下値も
限定的になる可能性は否定記できないと思います。

逆に、利上げを材料にドルを買い上げる勢いもなく、
ドルの上値は限定的になると考えます。

また、欧州情勢、北朝鮮情勢等々、地政学的リスクが市場を
支配する大きな材料になる可能性は大きいと思います。

この中、トランプ米大統領が欧州や中東を歴訪することで、
これら地域での発言や反トランプの動きがどんな形で
出てくるのか注目する必要があると思います。

予想レンジは、ドル円が108.20〜114.20円、
ユーロ円が120.20〜126.20円、
英ポンド円が141.20〜147.20円、
ドル円が78.20〜84.20円。