金利差意識も、北朝鮮情勢が気掛かり

今週の為替相場は、引き続き金利差が意識されるものの、
米国と北朝鮮との対立が強まっていることで、ドルを
一方的に買いにくい状況が続いています。

当初、米国の年内利上げが難しいとの見方から、
ドルは軟調な動きを見せましたが、その後、
FOMCで年内の利上げに前向きな見方が
伝えられたことで、ドル買いが強まる動きを見せました。

これに加えて、欧州中銀が利上げに前向きな姿勢を見せ、
10月の政策決定会合で、利上げに向けた構えを
見せていますし、英中銀も数カ月後には利上げを
行うことを示唆しています。

このような動きから、ドル円は112円台央〜後半に
ドルが上昇する動きを見せました。

金利差を意識すれば、円が最弱通貨となるものと思われます。

しかし、米国と北朝鮮との言葉の激しいやりとりの中で、
米国は北朝鮮を滅ぼすと発言する一方、北朝鮮
かつてない報いを米国は受けるとの見方を示しました。

この中で、北朝鮮の外相は、太平洋上で水爆実験を
行う可能性があると述べました。

これを受けて、為替市場では北朝鮮リスクが高まった
との見方から、円を買い戻す動きが強まりました。

まだ、北朝鮮の外相の発言だけで、実際に何か
あったわけではないので、大きな動きには
つながっていませんが、これまでも弾道ミサイル
発射を繰り返したり、核実験を行ったりしているので、
そう遠くない時期に何らかの動きを見せるかも知れません。

市場は、北朝鮮の実行力に注目しており、何らかの
行動があれば、リスク回避の動きが急速に強まる可能性が
あるとみているようです。

この結果、金利差だけを見れば、円は最弱通貨になって
不思議ではないのですが、北朝鮮情勢の不透明感が
一方的に円を売る動きに繋がらないようです。

金利差を意識すれば、円の上昇は考えにくいのですが、
北朝鮮リスクが円を下支えしている感じです。

予想レンジは、ドル円が108.20〜113.20円、
ユーロ円は128.20〜135.20円、
英ポンド円は148.20〜153.20円、
ドル円は87.20〜92.20円。