欧州通貨、堅調を継続か

今週の為替相場は、欧州通貨が堅調な推移を
継続するものと思われます。

米国の足元の物価指標が軟調となったことから、
米国の利上げに懐疑的な見方が広がっています。

もちろん、今年3回が予定されている利上げペースには
変化がないとの見方も支配的ですが、これまでは
米国だけが金融政策を利上げに転じたとの読みが支配的でした。

しかし、ここにきて欧州中銀が利上げに向けた動きを
鮮明にしていることが、これまでの金利差では
米一強との見方が、崩れ始めています。

欧州が具体的な利上げに踏み切れば、米欧の金利差が縮小し、
ますますユーロが優位となる可能性が出てきます。

また、米国ではトランプ大統領の奔放な発言が国際的な問題が
生じています。

さらに、ロシア疑惑で、特別検察官からの聴取要望が出ています。

トランプ大統領自身ではなく、周囲の人間がロシアとの
親密な交友関係にあったことをトランプ大統領から
確認する姿勢を見せています。

もちろん、トランプ大統領はこの要請を拒否しています。

この中、トランプ大統領に対する支持は根強いものがあります。

今すぐに、どうこういう問題ではないのですが、
トランプ大統領を巡る問題が為替市場では材料視される
可能性が強いと思います。

これと、金利差の問題が、ドルにとってはマイナス材料として
意識されるのです。

この中、円はこれまで金利差の競争には無縁でした。

しかし、日銀が買いオペを縮小したことが材料視されています。

もちろん、日銀は出口戦略につながるなんてことは言いませんが、
市場は日銀の微妙な姿勢を感じ取っています。

今すぐに、どうこういう問題ではありませんが、日銀はいつまでも
超緩和策を継続するとは思えなくなっています。

これまで、金利差で円は一方的に売られる通貨となっていたのですが、
金利が上昇に転じる可能性を見せ始めれば、今まで売られた分の
巻き戻しが急速に起きる可能性もあります。

金利差という大きな材料を視野に入れる必要が、そろそろ出始めた、
そのように考えることが選択されるのではないか、
そんな思いでもいます。

予想レンジは、
ドル円が108.20〜114.20円、
ユーロ円が132.20〜138.20円、
英ポンド円が148.20〜154.20円、
ドル円が84.20〜90.20円。