シリア攻撃、どう影響

今週の為替相場は、トランプ米大統領が命じた
シリア攻撃の影響がどんな形で影響するか関心が
集まるものと思います。

米国のシリアは攻撃については、当初はリスク回避の
円買いが強まる動きとなりました。

その後、今すぐの攻撃はないとの見方から、リスク回避の
動きが解除され、ドルは対円で107円台後半まで上昇する
動きを見せ、ドルの上値を目指す動きも見られました。

とりあえず、これまで為替市場の大きな材料とみられていた
地政学的なリスクが薄れる中で、リスク回避の円買いが
縮小するとの読みが為替市場では広がっていました。

特に、これまで最大の地政学的なリスクとみられていた
北朝鮮情勢も米朝首脳会談が予定されていることで大きく後退し、
目先の懸念とみられていたシリア情勢も米港の攻撃は遠のいた
との読みから、ドル買いに向かう動きとなっていました。

しかし、トランプ大統領は英仏とともに、シリア攻撃に
踏み切ったことを公表したことで、週明けの為替市場には
再びリスク回避の動きが急浮上すると思います。

地政学的リスクが強まる中で、ドル円は104円台まで
ドルが下落する動きが見られましたが、実際に米英仏が
シリア攻撃に踏み切ったことで、シリアを支援するロシア、
米国の攻撃に意義を唱えている中国などに動きが出てくると、
地政学的リスクが一段と強まり、為替市場はこの情勢を
注視する動きとなると考えます。

さらに、今回は化学兵器施設への限定攻撃としていますが、
シリアが化学兵器の使用をためない限り、継続するとも
指摘しており、拡大するような動きが出れば、ドル売りに
弾みがつく可能性が出てくると思います。

今回の攻撃が限定的と米英仏の首脳が指摘しているものの、
シリア軍との間で戦闘態勢に入った場合やシリアに
駐留しているロシア軍との間で小競り合いなどが
あった場合には、中東戦争の恐れも浮上していることが
予想されます。

これまで、シリア攻撃については限定的なものとの評価が
出ていましたが、どんな形でエスカレートする可能性が
あることが、為替市場の材料になる思われます。

こうした事態では、通常の為替市場の材料は
無視されてしまうと考えます。まずはシリア攻撃を
巡る国際的な緊張に注目したいと思います。

まずは、リスク拡大でドルの下押しがどの程度なのかを
見極めたいと考えます。

予想レンジは、
ドル円が102.20〜108.20円、
ユーロ円が126.20〜134.20円、
英ポンド円は146.20〜154.20円、
ドル円が76.20〜84.20円。