ドルの上値メドを模索か

今週の為替相場は、ドルの上値メドを探る展開が
予想されます。

朝鮮半島の平和ムードや米朝首脳会談に対する期待感など、
地政学的なリスクが大きく後退する中で、外国為替市場では
本来の金利差が意識される展開となっています。

米国では、経済指標が堅調な流れが続いており、
年内にあと2回の利上げは間違いないとの見方が
強まっています。

これに対し、欧州では足元の経済指標が低調で、
一時盛り上がった利上げ機運が拭われている状態と
なっています。

これまでは、米国の利上げ、欧州も利上げ、米欧の
金利差が広がらないとの読みから、ユーロが堅調な
動きがみられていました。

しかし、欧州での経済指標の低調な動きが、欧州の
利上げが遠退いたとの読みが広がると、欧州通貨売りが
為替市場では強まる動きを見せています。

この流れは、今週も続き、金利差を意識すれば、
ドルが最強通貨になる可能性が出ています。

円は地政学的リスクが大きく後退する中で、対ドルで
一時110円台に下落する動きを見せていますが、
110円台では落ち着かず、109円前後に巻き返す動きを
見せています。

110円台では、値ごろ感からのドル売りが持ち込まれ、
一先ずはドルの上値は重いとの読みが広がっています。

特に、日米貿易問題で、日本に対する米国からの圧力が
強まりつつあり、こうした面からも円安に対し、
米国から圧力が強まるのではないか、そんな読みも
対円でのドルの上値を重くしている感じがします。

米欧でも貿易問題があるので、金利差だけが材料とは
見ていないのですが、米国にとって貿易問題で
注力しているのは、一に中国、二に日本となっていることは
否めず、欧州は金利差を材料にした動きが一歩前に出ている
感じがします。

ただ、日本で大型連休が終わると日本の機関投資家が、
対外投資を意識した円売りを強めることが予想され、
こうした円売りで110円台を超えてどこまで円売りが
進むのか、注目したいと思います。

とは言え、リスク回避通貨は円との見方が一致した
見方となっており、イランをはじめとする中東問題では、
米国とイランの対立が強まるようなら、円が
上昇することも十分に考えられると考えます。

一つの材料だけで動けない、そんなことを想起させる
週となると考えています。

予想レンジは
ドル円が106.20〜112.20円、
ユーロ円は126.20〜132.20円、
英ポンド円が144.20〜152.20円、
ドル円が76.20〜84.20円。