貿易戦争の行方を注目

今週の為替相場は、トランプ米大統領が仕掛けている
貿易戦争の行方に注目が集まっています。

当初は、中国に対する関税の強化などでしたが、
イラン問題を巡り、対日への圧力を強め、
自動車摩擦では対欧州での圧力を強めるなど、
米国が世界を相手に、紡績戦争を仕掛けている感が
あります。

この動きは、当初はドル売りで反応しましたが、
その後、中国に対してやや緩和的な施策を
発表したことから、貿易戦争は緩和されている
との見方が出て、ドルが買い戻される動きを
見せています。

また、欧州通貨なども対ドルで値を戻すなど、
為替相場はやや落ち着きを見せています。

今週は、米国では雇用統計の発表があります。

予想の範囲内に収まれば、金融市場に与える影響は
少ないものとみられています。

引き続き、非農業部門の新規雇用者に対する関心が強く、
予想を大幅に下回る動きを見せれば、ドルにとっては
マイナス材料になると考えています。

この中、金利面ではドル高有利の動きが続くと
思います。

欧州では、利上げは来年になる可能性が強く、
移民問題などでユーロ圏の団結がやや薄らいでいることで、
ユーロ圏を中心に不安材料が払しょくできない動きが
続くのではないかと考えています。

これに対し、日本では日銀短観が発表されますが、
貿易戦争を意識した回答がどの程度出ているのか
注目したいと思います。

大企業製造業、非製造業ともに、前回と大きくは
変わらない数字が予想されていますが、金融市場に
直接大きな影響を与える可能性は低いのではないか
と考えています。

やはり、今週もトランプ米大統領が仕掛けた
貿易戦争の行方、ユーロ圏の内部対立などが、
金融市場にとって大きな材料になるのではないか
とみています。

予想レンジは、
ドル円が106.20〜112.20円、
ユーロ円が126.20〜132.20円、
英ポンド円は144.20〜150.20円、
ドル円が78.20〜84.20円。