貿易戦争の行方を注目

今週の外国為替市場は、トランプ米大統領
仕掛けた貿易戦争の行方を注目する展開が
継続すると思います。

米国、中国ともに、お互いに関税を増やす施策を
発表し、貿易問題は熾烈を深めています。

この中、トランプ大統領は日本に対しては日本の
貿易黒字の削減を求め、欧州に対しても欧州からの
対米黒字の削減を求めています。

先進7カ国首脳会議を構成している国々に対して、
米国は貿易戦争を仕掛けているのです。

先進国の絆は、トランプ大統領にとって、
崩されてしまいました。

もちろん、トランプ大統領は中国の巨額な貿易黒字を
目標にしているのですが、彼得意の流儀を使って、
脅しを用いて、貿易問題を解決しようとしているのです。

ビジネスの世界では、そのやり方は
まっとうな方法なのでしょうが、国際政治の世界では、
友好国か非友好国なのか、訳が分からない結果に
なっています。

欧州は、これまで友好の柱と考えていた米国離れの
様相を強めています。

中国が世界制覇を目指しているの否かは、どうでも良く、
世界の貿易秩序を守ろうとして見える中国に
寄り添う姿勢を見せています。

もちろん、中国が世界制覇を意識して、アジアで
覇権を目指していることには関心がなく、貿易の
秩序を守ってくれるのなら、少なくともトランプ氏が
率いる米国よりはマシと考えている風潮が見て取れるのが
若干不安です。

これで米国が国際社会から弾かれると、中国は
己が法律となって、中国にとって都合よく国際貿易を
捜査していく可能性が強いことは明らかです。

それでも、目の前の危機に対応することが
欧州にとっては都合の良いことなのです。

米中の貿易戦争が、さらに強まれば、リスク回避の
ドル売りが強まる可能性があるのではないかと
みています。

また、先週末発表された米雇用統計では
非農業部門の新規雇用が市場予想を上回りましたが、
時間当たり賃金が伸び悩んだことが材料に
されています。

ドルにとっては弱材料となり、貿易問題とともに、
今週の大きな材料になると考えています。

予想レンジは、
ドル円が106.20円〜112.20円、
ユーロ円が126.20〜133.20円、
英ポンド円が142.20〜149.20円、
ドル円が78.20〜84.20円。