欧州懸念を材料視か

今週の外国為替市場では、欧州懸念を材料に、
リスク回避の動きが強まる可能性が出ています。

欧州では、トルコリラに対する懸念が
浮上しています。

トルコリラは、米国との関係が悪化する中で、
トルコの金融性セクなどが重しとなり
急落しました。

特に、トルコに対する欧州銀行の関与が
大きいことで、欧州の銀行に対する懸念が
浮上、ユーロも下落傾向になっています。

ユーロは対ドルだけでなく、対円でも
大きく値を下げる傾向にあり、
この動きは今週も継続するのではないか
とみられています。

一方、英ポンドも英国が欧州連合EU)と
合意できないまま離脱する可能性が
あるのではないかとの見方が広がり、
英ポンドは対ドルで約1年ぶりの安値を記録、
対円でも大きく値を崩しています。

さらに、資源国通貨に対する懸念も広まって、
豪ドルは対ドル、対円での下落幅を
大きくしています。

これまでは、東アジアの緊張、
イランと米国との緊張、ロシアと米国
との緊張などが為替市場では大きな
材料になっていましたが、ここにきて、
欧州の懸念が広まっています。

特に、欧州の金融機関の経営に対する
懸念が取り沙汰されており、この動きが
強まるようになれば、欧州だけではなく、
米国の金融機関、あるいは日本の
金融機関などの経営に対する懸念も
広がる可能性も出てきます。

今は、まだ大きくは騒がれてはいませんが、
夏場のこの時期は、国際的な金融危機
対する懸念が強まる可能性があります。

これに加えて、米中貿易問題、
米国とイランの対立、日米貿易問題等々、
米国を中心にした国際的な懸念が
目白押しとなっています。

これまでは、米国が当事者となって
ドルの上値が抑えられる動きを
見せていましたが、今度は、欧州を
中心にした材料で金融機関の経営問題、
英国のEUからの離脱問題が材料に
されています。

ドルを買えないリスクは、
今まで以上に材料が広がっている
状況です。

米国、欧州、中東、アジアに
目を向ける必要がより高まっていると
思います。

ドルも、ユーロも、英ポンドも資源国、
新興国通貨も軟調が予想される中で、
リスク回避の動きがどの程度の
円買い圧力になるのか注目したいと
思います。

予想レンジは、
ドル円が106.20〜112.20円、
ユーロ円が122.20〜129.20円、
英ポンド円が134.20〜143.20円、
ドル円が73.20〜82.20円。