巨大銀行への自己資本上乗せ規制、当初は28行対象=FSB

金融安定理事会(FSB)は19日、世界の巨大銀行の健全性を
確保するための自己規制上乗せ規制案を公表した。

それによると、当初は28行が対象になり、その他の銀行より
1〜2.5%高い自己資本の上乗せが求められる。

上乗せに用いる資本として認められるのは普通株のみ。

上乗せ幅は、銀行の規模、国際的な活動、相互関連性、複雑さ、
代替可能性の5項目を均等に勘案し、対象行それぞれに対し1%、
1.5%、2%、2.5%の上乗せ枠が決定される。

FSBのデータによると、4行が2.5%、
3行が2%の上乗せを義務付けられる見通し。

また銀行の肥大化を防ぐため、
3.5%の上乗せ枠も設定されている。

対象となる具体的な銀行名は明らかにされていないが、
ゴールドマン・サックスHSBCモルガン・スタンレー
ドイツ銀行が含まれるのはほぼ確実とみられている。

今回の自己資本増強規制は、11月のG20(20カ国)首脳会議で
承認を得た上で、2018年末までに完了させる。

上乗せ対象行については、欧州連合EU)など一部地域を除き、
毎年審査が行われるとしている。

上乗せ基準を満たさない場合、監督当局と資本増強計画について
合意する必要があり、資本増強が実施されるまでは配当が制限される。

上乗せ幅が変更される銀行は、1年以内に新たな基準を満たす必要があり、
満たすことができなければ同様の罰則措置が課せられる。

FSBは、今後4年間の上乗せ実施移行期間において、
巨大銀行が年間で1%ポイントの資本増強を行った場合、
経済成長率を0.17〜3.17ベーシスポイント(bp)
下押しする可能性があると試算している。

2016年1月から段階的に適用を開始し、
2018年末までの完了を目指す、としている。

2014年1月までに上乗せ幅を決める各行のスコアを決め、
各国の当局が2015年1月までに追加規制を法制化する。