21日に欧州首脳会議、独仏がギリシャ追加支援で事前協議

メルケル独首相とサルコジ仏大統領は
20日、21日のユーロ圏首脳会議を前に、
ベルリンで会談した。

ギリシャ第2次支援で合意するよう圧力が高まるなか、
詰めの作業が始まる前に、事前協議を行ったとみられている。

ザイベルト独政府報道官はこの日、首脳会議について
「われわれは適切で賢明な解決策がまとまると強く確信している」と発言。

ギリシャ支援への民間債権者の関与が依然として
ドイツにとって重要な要素だと強調した。

ジュペ仏外相も「合意できると確信している」と主張。

また一部のメディア報道に反し、ユーロ圏各国の間では
「非常に広範な意見の収束がみられる」と述べた。

一方、ペクレス仏政府報道官は閣議後、「ドイツの消極姿勢」が
ユーロ圏共通債券発行案の最大の障害となっているとの考えを示し、
共通債券構想に対するドイツの反対姿勢に不満を示した。

一部の欧州当局者やエコノミストの多くは、同構想が
債務危機の長期的な解決策となり得ると考えている。

欧州委員会バローゾ委員長は同日、欧州の首脳は21日の首脳会議で
ギリシャ危機脱却に向けた説得ある解決策を見出さなければならず、
そうしなければ世界経済がその代償を払うことになると主張した。

委員長は記者会見で「誰も錯覚に陥ってはならない。
状況は極めて深刻で、対応が求められている。対応しなければ、
欧州全体及び世界に悪影響が及ぶ可能性がある」として、
強い危機感を示した。

その上で、ギリシャ財政の持続性、ギリシャ支援における
民間セクターの関与、一段と柔軟な欧州金融安定ファシリティー
(EFSF)の利用、欧州の銀行システム建て直し、
及び経済支援に向けた一段の流動性供給が、
解決策に盛り込まれるべきと述べた。

20日欧州時間の金融市場では、
首脳会議を控えユーロが上昇。

周辺国国債も値を上げた。

国際通貨基金IMF)の勧告に従い、ユーロ圏が
欧州金融安定ファシリティー(EFSF)による
予備的な与信枠の提供や流通市場での債券買い入れを
認めるとの期待感が追い風となった。

ただどちらの案もドイツが
依然として反対しているとされる。

IMFからはラガルド専務理事が
首脳会議に参加する見通し。

金融関係者が明らかにしたところによると、
域内の大手銀行・保険会社はこの日、ユーロ圏政府に
ギリシャ第2次支援策に関する民間関与計画について提案を行う見通し。

ある銀行筋は、債券ロールオーバーや償還期限の延期などを含む、
3年間で最大およそ400億ユーロの案を提示する方針だと明らかにした。

一方で情勢は流動的だとの指摘もある。

ただ銀行側は、ギリシャ支援に向けた銀行への
課税案については断固として反対する方針。