世界経済に景気後退リスク、迅速な行動を=ラガルドIMF専務理事

国際通貨基金IMF)のラガルド専務理事は27日、
世界経済はリセッション(景気後退)に陥るリスクがあるとして、
欧州の銀行に対する強制的な資本再編を含む協調策を
急ぐ必要がある、との考えを示した。

同専務理事は、ワイオミング州ジャクソンホールで開催された
カンザスシティ地区連銀主催の経済シンポジウムで
「今年夏の出来事は、われわれが危険な局面にあることを
示している。ぜい弱な景気回復が損なわれるリスクがあり、
直ちに行動しなければならない」と述べた。

先進国経済に関しては、財政をコントロールするため
長期的なプランを策定する必要がある一方、金融引き締めが
行き過ぎて回復を損なうことがあってはならないと指摘、
「簡単に言えば、マクロ経済政策は成長を
支えるものでなくてはならない」と述べた。

さらに「インフレリスクよりもリセッションのリスクが高いため、
金融政策もかなり緩和的なものである必要がある」として、
中央銀行は必要があれば再び非伝統的な措置を講じる用意を
整えておくべきだ、と訴えた。

専務理事はまた、欧州の銀行は資本再編が必要だと指摘、
民間のチャネルを通じて実施することが望ましいが、
何らかの欧州全体の枠組みを通じた公的資金の注入が
必要になる可能性もあるとの考えを示した。

欧州の債務問題については、各国が「信頼に値する
ファイナンス方法」を通じた赤字削減策を講じる
必要があるとして、欧州中央銀行(ECB)による
継続的な支援が必要だと指摘した。

米国に関しては、長期的な財政再建策に焦点を当てるあまり、
短期的な成長を促す重要性を忘れてはならない、と指摘した。