民主新代表に野田財務相、財政健全化への取り組みに期待

民主党は29日、菅直人代表の後任を選ぶ代表選を行い、
決選投票の結果、野田佳彦氏(現財務相)を新代表に選出した。
新代表の任期は菅代表の残り任期である来年9月まで。
30日にも国会で新首相に選出される見通し。

市場では財政健全化への取り組みに期待が集まる半面、
増税路線を嫌気する見方も出ている。

1回目の投票で2位につけ、決選投票に臨んだ野田氏は
2回目の投票で、海江田万里氏を逆転して新代表に選出された。

代表選に立候補した他の陣営の票を広く獲得し、
1回目の投票の倍以上の得票となった。

新代表に選出された野田氏は菅政権の財務相として、
震災後の第1次、第2次補正予算の編成に取り組み、
最近の円高への対応でも為替介入や緊急対応基金の設立に加え、
3次補正予算などで、さらなる円高対策にも取り組む考えを示している。

財政健全化に強い意欲を示しており、26日の出馬会見では、
「日本で震災が起きたということで一国経済・財政主義で
いいと錯覚すると、大きな国難に見舞われる」と懸念を表明、
「しっかりと国民に負担をお願いする歳入改革も
避けては通れない」と語っている。

野田氏が1回目の投票で決選投票に残ったことを受けて、
債券市場では財政規律維持への期待から債券が買われ、
金利が低下した。

一方、株式市場では、野田内閣になれば増税路線は
避けられないとして、日経平均は上げ幅を縮小している。
外為市場の反応は限定的。

野田氏は新代表に選任された後、あいさつし、
ノーサイドにしよう」と呼び掛けた上で、
民主党一人一人が汗をかく体制を早急につくる。
震災復旧と復興、原発事故収束、円高・デフレ対策に
一緒に汗をかく」と決意を示した。