フレディマックとバンカメの訴訟、和解金過少だった可能性=報告書

米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)が今年1月、
不良債権化した住宅ローンをめぐる訴訟で
バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)から
およそ13億ドルの和解金を受け取ることで
合意した問題について、米連邦住宅金融局(FHFA)の
監査担当者は27日、フレディマック側が行った和解金の算定が
不十分な内容だった可能性を指摘する報告書を発表した。

報告書は、和解金が少なすぎた可能性を示唆しており、
当局が今後、バンカメに対して和解金の積み増しを
求める可能性も指摘されている。

フレディマックは、住宅ブームの際、バンカメ傘下の
カントリーワイドから住宅ローンを買い取った。

これらのローンは、組成後3年目から5年目にかけて、
想定以上のペースでデフォルト(債務不履行)した。

今回の調査によると、フレディマックはバンカメとの訴訟にあたり、
組成後1〜2年目に差し押さえとなったり、返済に困難が生じたりした
住宅ローンのみを和解金算定の対象とした。

そのため、問題があるにもかかわらず対象外となったローンが
多く生じ、バンカメから受け取る和解金について適切な算定ができず、
和解金が過少だった可能性があるとしている。

アナリストらは、当局は今回の報告書を根拠に、
和解金をさらに引き出そうとする可能性がある、と指摘している。

オハイオ州立大学の法律学教授、ピーター・スワイヤー氏は、
報告書は「フレディマックが適切な和解額を受け取っていないことを
示唆している」とし、FHFAはバンカメに対して
さらに高額の支払いを求める、との見方を示している。