中国人民銀、香港との通貨スワップ協定枠を4000億元に倍増

中国人民銀行中央銀行)は、香港金融管理局(HKMA)との間で
結んでいる人民元通貨スワップ協定について、
限度枠を倍増し、4000億元(630億ドル)とすると発表した。

両地域間の元建て貿易を促進することになりそうだ。

中国政府は過去2年間、香港を人民元建て貿易決済の実験場として
活用してきたが、ここ数週間で人民元切り上げ期待がしぼんでいたほか、
拡大する貿易額に対し、限度枠が少ないことが明らかになっており、
香港の銀行におけるオフショア人民元預金額の増加ペースが鈍っていた。

中国人民銀は声明の中で、「両地域がスワップ協定の改定に合意したことは、
金融業界の安定、貿易と投資の促進、香港におけるオフショア人民元市場の
発展に寄与するだろう」と指摘した。

HKMAは声明の中で、新たな協定は、2009年1月に締結した
2000億元のスワップ協定を引き継ぐものだと述べた。

HKMAは2010年10月に初めてスワップ協定を活用し、
貿易決済を支援するために200億元を設定した。

今年1〜9月で、香港における元預金額はほぼ倍増の6220億元に達し、
銀行を通じて行われた元建て貿易決済額は1兆3000億元超に上った。