スペイン次期政権、外部支援要請を検討=関係筋

12月半ばに発足するスペインの次期政権は財政を強化する
選択肢の1つとして、外部支援の要請を検討している。
関係筋が25日、明らかにした。

今月実施された総選挙では、社会労働党(PSOE)が大敗を喫し、
中道右派の国民党(PP)が与党の座を奪回。

12月20日頃に同党のマリアノ・ラホイ党首が新首相に就任し、
新政権が発足する見通しとなっている。

関係筋はロイターに対し「外部支援要請が
すでに決定されたとは思わない。
ただ、それに関する質問を受けており、
検討されている選択肢の1つではある」と述べた。

「われわれには時間が必要だ。現在の状況について
さらなる情報が求められている」とした上で
「要請しなければならないのであれば、
今行なう必要がある」と語った。

国民党当局者は、外部支援要請に
関する質問に対して発言を控えた。

スペインが欧州金融安定ファシリティー(EFSF)、
もしくは国際通貨基金IMF)に対する支援要請が
将来的に必要になる場合、市場の状況により
支援を要請せざるを得なくなってから行動を起こすよりは、
政府が独自の判断で早い段階で要請する方が
政治的には望ましいとの見方が出ている。

IMFは22日、ユーロ圏債務危機の波及に備えるため、
6カ月間の短期流動性を供給する融資制度
「予防的流動性枠(PLL)」を創設すると発表。

対象となる国は具体的に示さなかったものの、
新たなクレジットラインは「将来の衝撃に対する保険、
及び短期的な流動性供給窓口」になるとしている。

国民党の経済顧問はロイターに対し、IMF
クレジットラインによる融資申請は検討されている
1つの選択肢にすぎないとした上で、申請したとしても
これだけでは十分でなく、暫定的な措置とみなされると述べた。

新政権を率いる国民党のラホイ党首は、20日の総選挙後の
勝利宣言以来、公の場に姿を現しておらず、選挙運動中も
経済政策の詳細は示してこなかった。

ただ、今週に入り国内大手行の幹部と会合を重ねている。
スペインでは2012年に約1200億ユーロの国債が償還を迎える。
赤字の穴埋め費用も加わり、少なくとも2000億ユーロが必要となる見通し。

スペインが抱える問題は欧州中央銀行(ECB)が
量的緩和に踏み切れば解決する可能性もあるが、
こうした案にはECB内部からも反対論が出ているほか、
ドイツも反対姿勢を崩していない。

前出の国民党の顧問は、スペインはまずECBの措置を
選ぶとしながらも「それが得られない場合、
外部支援を受ける必要が出てくる」と述べた。