今週も欧州情勢が最大の材料です

今週の為替市場は、欧州情勢が
最大の材料となると見ています。

ギリシャ、イタリアだけでなく、
周辺国の格下げが相次いで実施され、
ドイツでは入札が未達になるなど、
中堅国にも欧州危機が波及しています。

もちろん、ギリシャ、イタリアに比べ、
周辺諸国が今直ぐに問題になるということは
考えにくいと思いますが、それでもこういう危機は、
あっという間に連鎖します。

一国がデフォルトに陥れば、金融機関に
大きな影響が出て、それが連鎖して、
まず欧州域内に波及して、それが
全世界に波及するまで、
時間はそれほど必要ではありません。

その意味では、世界はまさに崖っぷちにいると
言っても、言い過ぎではない状態が続いています。

それでも、欧州中堅国のドイツと
フランスの意見が食い違い、
ECBも自分たちの役割を過小評価省としています。

欧州共通の家は、今まさに風前の灯にあるわけです。

危機が深まれば、ドイツが折れる、
ECBが折れるという期待感で
保っているような状態で、実は、
財政赤字国家のフランスは、
ドイツやECBが賛成してくれれば、
自国の財政事情を開陳して、
堂々と支援を受ける可能性があります。

そういう状況を市場は知っているから、
欧州債の下落が続き、ドイツでの入札が
未達という異常状態となったのです。

だから、ユーロが今、売られているわけです。

ユーロとともに、同一地域にある、
スイスフラン、英ポンドも影響を受け、
金利通貨国の豪ドルやNZドルも下落しているのです。

ドルは辛うじて、対ユーロで上昇している分、
対円でも値を保っているのですが、米国自身、
財政赤字協議が暗礁に乗り上げつつあります。

これが顕在化した場合、ドルにとっても
大きなマイナス材料になるわけです。

それがいつなのか、いつ起きてもおかしくないわけです。

そういう不安定な状態にあることを、
強く認識する必要があると思います。

予想レンジは、
ドル円が73.80〜78.80円、
ユーロ円が97.80〜104.80円、
英ポンド円が115.80〜122.80円、
ドル円が68.80〜77.80円。