豪中銀が政策金利を4.25%に据え置き、追加利下げに含み残す
オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は7日、
政策金利のオフィシャルキャッシュレートを4.25%に据え置いた。
落ち着いたインフレ見通しと世界経済に対する
下振れリスクを踏まえ、利下げを予想していた
多くのエコノミストにとってサプライズとなった。
ただ、中銀は経済が悪化した場合、今後数カ月以内に
利下げを実施する可能性に含みを残した。
金利据え置きの発表を受け、豪ドルの対米ドル相場は
1セント上昇し、6カ月ぶりの高値となる1.0812米ドルをつけた。
豪中銀のスティーブンス総裁は、声明で「成長率は
トレンド近く、インフレ率も目標近くで推移すると
予想されるため、理事会は現在の金融政策が
当面適切との判断を下した」と説明。
その上で、「需要の状況が大幅に悪化した場合、
インフレ見通しからみて、金融緩和の余地が生じる」と指摘した。
豪中銀は、国内のインフレがかなり落ち着いた
水準になったことを受け、昨年11月と12月に
それぞれ25ベーシスポイント(bp)の利下げを行っていた。
インフレ見通しの改善は、欧州債務危機を背景にした
不透明な世界情勢に対応する余地を中銀に与えた。
スティーブンス総裁は今回の声明で、欧州の銀行への重大な圧力は、
2011年終盤の政策当局による措置によりかなり和らいだとの認識を示した。
また、最近の米国のデータは、2011年半ばの弱めの
基調以降、緩やかな拡大が続いていることを示していると指摘。
オーストラリア最大の輸出市場である中国の成長については、
鈍化したものの、多くの指標は昨年下半期を通じて
引き続きかなり力強いと述べた。
オーストラリアの金利は依然として、他の多くの先進国の
水準を大幅に上回っており、資源国の相対的な力強さを反映している。
今回の政策金利据え置きを受け、
投資家は追加利下げの予想を後退させた。