独首相の仏大統領支援発言、ドイツ国内から批判続出

メルケル独首相が、大統領選挙で苦戦が予想されている
フランスのサルコジ大統領を公に支持する方針を
表明したことをめぐり、ドイツの国益を害する
可能性があるなどとして、国内で批判が広がっている。

メルケル首相は、サルコジ大統領と共に
2回にわたってフランスのテレビに出演。
その様子はドイツでも放映された。

メルケル首相は、同じ保守派のサルコジ大統領を
支援するのは「まったく自然なこと」と発言した。

これに対し、ドイツの新聞や野党指導者らは、
外国首脳の選挙を支援することは異例であり、
メルケル首相は踏み込みすぎている危険があると指摘。

保守派としてサルコジ大統領を支持することはあるとしても、
首相の権威を利用して外国の首脳をあからさまに
支援するのは民主主義に反する行為で、
容認できないと批判している。

また、サルコジ大統領が選挙で敗北した場合、
長期的にドイツの国益が損なわれる恐れがあると懸念する声もある。

緑の党のユルゲン・トリッティン議会院内総務は
「背水の陣の状態にある(サルコジ)大統領を
支援するためドイツの指導者が選挙に介入すれば、
独仏関係に悪影響が及ぶ」と述べた。