S&P、ギリシャを選択的デフォルトに格下げ

S&Pは、ギリシャソブリン格付け(長期CC、短期C)を
選択的デフォルト(SD)に引き下げた。

ギリシャ政府が、一部のソブリン債についての規定を変更、
民間の全債券保有者に債券スワップを求める集団行動条項
(CAC)を加えたことに対応した措置。

S&Pは、債券スワップの完了後に
CCCC格に格上げする可能性が高いとしている。

ギリシャについては、フィッチ・レーティングスも先週、
債券スワップ計画の発表を受け、投機的格付けで最も
低位となる「C」に格下げしており、今回の格下げは広く予想されていた。

S&Pは「ギリシャ政府によるCACの遡及的組み入れに伴い、
ギリシャソブリン格付けをSDに引き下げた」と表明。

CACの組み入れにより、対象債券の条件が変更されることになり、
債務スワップは「ディストレスト債務再編」に該当するとしている。

ギリシャ政府は24日、民間債権者に対する
債務スワップのオファーを正式に発表。

民間債権者は額面で53.5%の債務を減免、
実質で約74%の損失を負担する。

S&Pは十分な数の債権者がスワップに応じなければ、
ギリシャが直ちに支払い不能に陥る可能性があるとしている。

S&Pは、債務者がある特定の債務または特定の種類の債務を
選択して不履行としたものの、その他の債務については
期日通りに支払いを継続すると判断する場合に
「SD」の格付けを付与している。

ギリシャ財務省は今回の格下げについて、
予想されていたことであり、
国内銀行への影響はないと表明。

ギリシャの銀行システムには影響しない。
予想される資金繰りへの影響については、
すでにギリシャ中銀が対策を
打ち出している」との声明を発表した。

S&Pは、債券スワップが完了しても、ギリシャの経済見通しは
不透明で、公的債務も依然として巨額であり、CCC格に
格上げする場合も、その点に関する同社の見解が
反映される、としている。