ギリシャ銀、債務交換で資本枯渇の恐れ=ムーディーズ

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは27日、
ギリシャ債務交換による損失負担で同国の銀行の資本基盤は
ほぼ枯渇する恐れがあり、政府による資本増強後も、
国内銀行セクターは著しいリスクに直面するとの見解を示した。

ギリシャは24日、民間債権者に対し、
正式に債務交換案を提示した。

銀行や保険会社など民間債権者は額面で53.5%の債務を減免、
正味現在価値(NPV)で73〜74%の損失を負担する見通し。

ムーディーズは暫定推計によると、債務交換によるNPV損失は
最大で75%に達する可能性があると指摘。

およそ500億ユーロのギリシャ国債保有する同国の銀行が、
250億ユーロ(335億ドル)の負担を迫られれば、
252億ユーロ程度の同国銀行セクターの資本基盤は
ほぼ枯渇するとの見方を示した。

ギリシャ政府は今年、議決権を制限した普通株
転換社債などを通じて銀行セクターの資本基盤増強を
計画しており、債務交換後におよそ500億ユーロ
(673億1000万ドル)が資本増強向けに確保される見通し。

ムーディーズは、不良債権の増加や高止まりする失業率による
貸し出し債権への悪影響を背景に、ギリシャ銀に必要な資本増強額を
400億ユーロ超と予想。

ぜい弱なソブリン債に対する高水準のエクスポージャー
経済の下振れリスクから「ギリシャの銀行は資本増強後も、
引き続き著しいリスクと困難に直面する」との見方を示した。