新年度、買いか・売りか、注目されます

今週の為替相場は、新年度入りとなる中で、
円売りが強まるのか、円買いが強まるのか、
大いに注目されます。

これまでの経験則から言えば、
年度末に買われた円は、年度が明けると、
海外投資を目指した機関投資家の円売りで、
軟調な動きになる構図が見られました。

しかし、円が最円高を更新したのは4月相場で、
年度明けは円売りとはいえない現象も見られています。

これは、4月下旬に金融関係の国際会議が
ワシントンで開催されることで、その会合を
控えた各国の思惑、特に米国の思惑が
為替相場に大きく響くことになっているのです。

今回は、米国はドル安にもドル高にも
大きくは動かしたくない模様ですが、
今秋の大統領選挙の行方を考えると、
ドル高は望んでいないように思えます。

景気の足取りも、一部の連銀総裁が
指摘するほど強いものではなく、むしろ、
ここで金融緩和の手を緩めると、
立ち上がりつつある米国の景気が
腰折れする危険があります。

それを恐れているのが、バーナンキFRB議長で、
そのためにも緩和を強く意識させる発言を
繰り返しているのです。

米国ではタカ派の発言も出ていますが、
緩和に重心を置いた金融政策を続けるものと見ています。

一方、わが国では、日銀短観が発表されます。

1年前の東日本大震災の影響で、
その後発表された日銀短観は悪化していましたが、
今回は回復が見込まれています。

どの程度改善されたのか、改善度合いに
関心が集まるというよりは、回復したと言う
事実を見極めるものと見ています。

昨年の東日本大震災の影響は、
徐々に縮小していると言う事実を
見極めていくものと見ています。

ドル円は、引き続き85円が
大きな節目となりそうです。

この水準をあっさり、
ドルが買い進められるようだと、
次の目標は90円という声が
上がってくると思います。

しかし、足元での動きを見る限り、
85円はなかなか大きな壁になっています。

この水準を抜けるには、
かなりのエネルギーが必要だと思います。

これに対し、ユーロは薄氷の中にあります。

ギリシャ危機が一応の決着を見ましたが、
今はスペイン、ポルトガルなど、
南欧の危機が意識されています。

イタリアだって、危機を脱したわけではありません。

ギリシャに比べれば、これら諸国の影響が
大きいと見られているだけに、
次の危機が起こった場合には、
ユーロに対する危機意識は
一気に燃え上がると思います。

予想レンジは、
ドル円が78.80〜84.80円、
ユーロ円が105.80〜112.80円、
英ポンド円が126.80〜133.80円、
ドル円が81.80〜87.80円。