ユーロ圏救済基金の合計融資能力、7000億ユーロに引き上げ

ユーロ加盟国は30日に開いた財務相会合で、
ユーロ圏救済基金の合計融資能力を5000億ユーロから
7000億ユーロに引き上げることを決定した。

会合後に発表された声明は「ESM/EFSFの融資能力は
7000億ユーロに引き上げられる」としている。

ただ、今回の決定を20カ国・地域(G20)、
及び市場が十分と見なすかは不明だ。

7000億ユーロのうち、5000億ユーロは常設の
安全網となる欧州安定メカニズム(ESM)の資金、
2000億ユーロは、現在の一時的な救済基金である
欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の下で
ギリシャアイルランドポルトガルへの
支援向けにコミットされている資金となる。

声明は、欧州金融安定化メカニズム(EFSM)が拠出した
490億ユーロ、及びギリシャに対する530億ユーロの
二国間融資を加えると、ユーロ圏は約8000億ユーロの
ファイアウォール(防火壁)を構築することになるとしている。

欧州委員会は当初、ESM/EFSFの融資能力を、
7400億ユーロの新規資金を含む9400億ユーロに
引き上げることを提案していたが、域内で
最大の経済規模を持つドイツが反対した。

ユーロ圏財務相は声明で約8000億ユーロの
ファイアウォール(防火壁)を構築することになるとしたが、
これには、拠出済みの資金や、ユーロ加盟国がギリシャへの
第1次支援の下すでに実施した2国間融資も含まれる。

さらに、ESMは資本が3年間にわたり払い込まれることに
なっているため、発足後にただちに完全稼動しない。

このことを反映し、ESM/EFSFの合計の新規融資資金は
2013年まで5000億ユーロに設定されている。

このことは、ESMの資本の払い込みが行われている間に
必要性が生じた場合、EFSFが保有する2400億ユーロの
使途が決まっていない資金が利用される可能性が
あることを示している。

フランスのバロワン経済・財政・産業相は、
今回の決定により、国際通貨基金IMF)の
財源強化について、欧州は世界の主要国に対し
説得力を持って呼びかけることができると評価。

「4月のIMF協議に向け、欧州は
立場を強めることができた」と述べた。