スペイン政府が2012年予算案を公表、赤字削減への姿勢明確化

スペイン政府は30日、2012年予算案の概要を示し、
財政赤字削減に取り組む姿勢を明確にした。

2012年の中央政府の節減目標は270億ユーロ(360億ドル)で、
国内総生産GDP)比で2.5%に相当。

これには昨年末に明らかとなった150億ユーロ規模の
増税・歳出削減対策も考慮されている。

中央政府赤字の対GDP比率は3.5%を目指す。

地方政府が掲げる2012年の
赤字目標は、対GDP比で1.5%。

2011年は同2.9%だったことから、2012年目標を
達成するには150億ユーロ相当の削減が必要になる。

地方政府の追加歳出削減目標を加えた全体の赤字目標は、
GDP比で5.3%となり、当初の4.4%目標から後退するものの、
昨年の8.5%からは大幅な改善を見込む。

サンタマリア副首相は閣議後「わが国が困難な課題に
直面していることは誰もが承知しており、
成長・雇用創出のための財政健全化措置や
構造改革を行う上で、格段の努力が求められる」と語り、
省庁の歳出を16.9%削減する方針を明らかにした。

政府は4月3日に予算案の議会提出を予定しており、
その時点で新たな詳細が明らかとなる可能性がある。

こうしたなか、エコノミストからは、一段の緊縮財政で
低迷する経済はさらに圧迫され、それによって
赤字目標の達成は一層困難になりかねないとの声も聞かれる。