英銀、景気支援で流動性バッファーの利用可能=中銀報告書

イングランド銀行(英中央銀行)の金融行政委員会は29日、
金融安定報告を公表し、国内経済の見通しは悪化しており、
金融機関は潤沢な流動性バッファーを利用して実体経済への
融資を続けることが可能だとの見解を示した。

報告書は「特にユーロ圏のリスクをいつどのように
解消するかが非常に不透明であることを踏まえると、
金融安定の見通しは悪化している」と指摘した。

英経済は過去4年間で2度目の景気後退に陥っており、
政府・中銀は今月、企業向け融資を促すため、
銀行に低利融資を実施する計画を発表した。

報告書は「国内銀行が保有する極めて流動性の高い資産は
2008年以降3倍になっており、これが大きな防御となっている。
短期の流動性ショックが発生した場合は、こうしたバッファーを
利用することが可能だ」と指摘。

「FSA(金融サービス機構)は、流動性の問題が
発生した場合に規制上の流動資産バッファーを
自由に利用できることを銀行に明確に
伝えるべきだ」としている。

ギリシャのユーロ離脱観測については、実際に離脱すれば
大きな影響が及ぶが、「対応は可能とみられる」との見解を示した。