欧州委、LIBORなど基準金利操作に刑事罰適用へ

欧州委員会は25日、ロンドン銀行間取引金利LIBOR)など
基準金利の不正操作に対する刑事罰適用を
盛り込んだ規制強化案を明らかにした。

基準金利の監督を欧州連合EU)が
引き継ぐ可能性があるとの見解も示した。

欧州委のバルニエ委員(域内市場・サービス担当)は記者団に対し、
基準金利の監督強化を検討していると表明し、これらの金利
現在の算出方法にも疑問を呈した。

規制強化案では、インサイダー取引などに対する
処罰の最低基準を定めた新たな法律に修正を加える形で、
EU加盟27カ国全域で金利操作を刑事罰の対象に含める。

具体的な罰則については各国の判断に委ねる方針だが、
刑事罰の対象とすることでより厳しい制裁を科す
裁量を各国に与える。

LIBORや欧州銀行間取引金利(EURIBOR)は現在、
銀行による自主規制に委ねられているが、バルニエ委員は
「現状維持と自主規制(という選択肢)のみを除き、
全てが検討対象になっている」と述べ、「全ての基準金利
指標の公的監督に関連した追加措置を提案することが
必要になる」との考えを示した。

EURIBORを算出している欧州銀行連盟(EBF)は、
早期の公的監督への移行を支持する立場を表明した。
新たな規制の導入は2015年以降になる見通し。

欧州委のレディング副委員長(司法・基本的権利・市民権担当)は
こうした措置について、銀行関係者の不正行為に対処する
第1歩に過ぎないと述べた。

また、「一部の国の監督当局と銀行との間に存在する
親密な関係を断ち切る」ため、欧州中央銀行(ECB)を
監督機関とすることが可能だと指摘。

「欧州レベルで厳格さと独立性が
必要」との立場を示した。

バルニエ委員は、大手行が銀行間の借り入れコストに
関して示す推定をベースとしている現行の金利算出方法に
ついても点検しているとし、「推定ではなく、事実と実際の数字に
基づいて指標を算出する体系的なアプローチに
移行すべきだろうか」と問いかけた。