LIBOR不正操作、金融市場の信頼損なう重大な問題=日銀総裁

日銀の白川方明総裁は26日の参議院財政金融委員会で、
ロンドン銀行間取引金利LIBOR)の不正操作問題について、
欧州債務問題を背景に金融市場が神経質な状態にある中で、
LIBOR問題は金融市場への信頼を損ないかねない重大な問題と
懸念を表明し、「誠に遺憾」と語った。

愛知治郎委員(自民)、広野ただし委員(生活)の質問に答えた。

白川総裁は、LIBOR不正操作問題を「金融市場の公正性に対する
信頼を損ない、市場メカニズムの健全な発揮を阻害しかねない
重大な問題」と強調。

再発防止には、各金融機関が不正操作防止に向けた体制を
確保するとともに、指標作成に係わるさまざまな機関が
信頼性を担保できる枠組みをつくることが不可欠と語った。

その上で、リーマンショック後のように金融市場が混乱し、
取引自体が行われないようなケースでは「どうやって実勢
金利)を把握するのか、という難しい点がある」とし、
「知恵を出し、どうすれば改善できるかをしっかり考えておく
必要がある」と指摘。

金融市場の安定や金融政策の効果波及にも大事な論点と述べ、
中央銀行として再発防止に向けた議論などに積極的に
関与していく考えを示した。

LIBOR問題を受け、全国銀行協会東京銀行間取引金利
(TIBOR)についてレート提示銀行に対する一斉点検を
行っているが、白川総裁はTIBORに関して「日銀として、
点検の状況をしっかり見守りたい」と語った。

また、米当局が導入を検討している新たな金融規制である
「ボルカールール」については、金融庁とともに日本国債
対象から除外することなどを米側に求めており、
「各国当局からも懸念が出ており、米当局の
適切な対応を期待したい」と述べた。