中国は世界の景気減速を甘くみていた=人民銀金融政策委員

中国人民銀行中央銀行)の陳雨露金融政策委員
中国人民大学学長)は27日、中国は今年の
世界経済減速についてかなり甘く見積もっていた
とした上で、銀行の預金準備率や金利
さらに引き下げるかどうかは外部環境が
一段と悪化するかどうかに左右されるとの認識を示した。

世界経済や資本フローに関する
会議に出席した際、記者団に語った。

同委員は「われわれは外部の経済環境の厳しさを
甘く考えていた」と述べ、世界経済はしばらく
低迷が続く可能性があるとの見方を示した。

中国人民銀行が銀行に民間への貸し出しを促すため、
さらなる利下げや預金準備率の引き下げを実施するか
との質問には「外部環境がどの程度悪化するかに
かかっている」と答えた。

人民銀行は6月と7月に金利を引き下げたほか、
2011年終盤以降3度にわたって預金準備率を
引き下げてきたが、最近は内外の需要が
一段と冷え込む兆しが見られるにもかかわらず、
リバースレポを通じた短期資金の供給に依存する
姿勢を見せている。

これについてアナリストは、不動産価格上昇や
インフレリスクに対する中国政府の懸念を
反映したものとみている。

陳雨露委員はこの点について、政策当局者は
政策の緩和が行き過ぎ、再び住宅価格の上昇を
招くリスクを認識していると指摘、「金融政策は
ジレンマに直面している。(人民銀行は)経済成長を
安定させる必要がある一方で、不動産価格の問題を
強く懸念している」と述べた。

さらに、市場でのオペを多用していることは、
金融セクターの改革を推進する人民銀行の
スタンスを反映したもので、人民銀行は
価格決定の上で市場にもっと大きな役割を
委ねたいと考えていると指摘。

中央銀行構造改革を促す必要もあるため、
単純に政策を緩和するわけにはいかない、と述べた。