欧州銀行同盟、既存リスクは負担せず=独連銀総裁

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーの
イトマン独連銀総裁は27日、導入が
計画されている欧州「銀行同盟」の傘下に入る
銀行セクターの既存の問題について、ユーロ圏各国が
引き続き責任を負わなければならないとの見解を示した。

銀行同盟構想をめぐっては、銀行監督をECBの下に
一元化すれば、困難に直面している加盟国が抱える
負担を健全な国が肩代わりすることになる
との懸念がドイツなどで出ている。

イトマン総裁は講演原稿で「責任と管理の
バランスを取るため、一元化された監督体制の下で
生じたリスクのみについて共同責任で対応することが
可能だ」とし、銀行バランスシート上の既存の問題は、
問題発生時に監督を行っていた各国の規制当局が
引き続き責任を負う必要があるとの見方を示した。

その上で「さもなければ資金移転になる。銀行同盟を
隠れみのにすることなく、透明性を確保すべきだ」とし、
「リスクの共有を銀行同盟の第一の目的と
すべきではない」と強調した。

ドイツ、オーストリア、オランダ、フィンランド
4カ国は今週、欧州の常設安全網となる
欧州安定メカニズム(ESM)が負担する責任をめぐり、
新たに生じる問題と既存の問題を明確に区別する
必要があるとの立場を示し、ユーロ圏周辺国との
見解の相違が浮き彫りになった。