米財政の崖、世界成長率を半減させる可能性=フィッチ

格付け会社フィッチ・レーティングスは27日、
米国が「財政の崖」を回避できなければ、
控えめに見積もっても、2013年の世界の
経済成長率が半減する可能性がある
との見通しを示した。

フィッチはリサーチノートで、米国で減税措置の失効と
歳出の自動削減開始が重なる「財政の崖」が、
米経済及び世界経済をリセッション(景気後退)に
追いやる可能性があると指摘。

「米財政の崖は、近い将来における
世界景気回復への最大の脅威」とした。

フィッチは、2013年初めに大半の緊縮措置が
発動された場合、米国内総生産GDP)が
年率で8000億ドル、もしくは5%押し下げられる
との米議会予算局(CBO)による見通しに言及。

これによって、米経済が不必要なリセッションに陥る
可能性が高まることから、緊縮措置が全面的に
発動される公算は小さいとした。

その上で、緊縮措置が全面的に実施されれば、
同社の米成長見通しであるプラス2.3%が
約2%ポイント押し下げられる可能性があると予想した。

この影響が世界経済に波及し、2013年の
世界GDPの伸び率はプラス1.3%と、
同社ベースライン予想であるプラス2.6%の
約半分の水準になるとの見通しを示した。