欧州銀への資本注入、個別に決定すべき=レーン欧州委員

欧州委員会のレーン委員(経済・通貨問題担当)は28日、
欧州銀の資本増強の方法はケース・バイ・ケースで
決定すべきとの見方を示した。

また、現在は当局者間で異なる意見が出ているものの、
いずれは見解の一致が見られるだろうとした。
ロイターとのインタビューで語った。

同委員は、6月の欧州連合EU)首脳会議での合意を受け、
欧州安定メカニズム(ESM)の稼動を経て銀行に個別に
資本注入を行うことが可能になったとし、「言い換えれば、
(資本注入は)自動的に決まることではなく、常に個別の
決定が必要になるということだ」と指摘した。

その上で「機が熟せばこの問題について徹底的な
議論が行われ、ユーロ圏17カ国共同の決定が
下されると確信している」と述べた。

ESMによる銀行への資本注入をめぐっては、
ドイツ、オランダ、フィンランドの3カ国が、
将来発生する不良債権のみに適用され、
既存のローンは対象外とする共同声明を発表し、
銀行とソブリンの連鎖を断ち切ることが不可欠とする
向きと食い違うような見解を示した。

レーン委員は「加盟国が相互に議論し、一部のグループとして
共同声明を発表するのは普通だ」とし、亀裂が生じている
との見方を重要視しない立場を示した。