ECB、国債購入条件は懲罰的である必要ない=ドラギ総裁

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は4日、
条件が整い次第、ECBはスペインをはじめ、
ユーロ圏重債務国の国債を買い入れる
用意ができていると言明した。

また、国債買い入れに付随する条件が
必ずしも懲罰的である必要はないとの見解を示した。

ECBはこの日の理事会で主要政策金利である
ファイナンス金利を0.75%に据え置いた。

下限金利の中銀預金金利もゼロに、
上限金利の限界貸出金利
1.50%にそれぞれ据え置くことを決めた。

ドラギ総裁は理事会後の会見で、スペインが
ECBの国債買い入れプログラム(OMT)発動の
前提条件となる支援要請を行うかどうかについて
言及しなかったものの、スペインが財政再建
取り組みで「大きく前進した」と評価した。

さらに、OMTはまだ実施されていないものの、
金融市場の緊張を既に和らげたとの見方を示した。

スペイン国債の利回りが適切な水準に
あるかとの質問には回答を差し控えた。

ただ、「OMT実施の用意は整っている」と言明。

「すべての条件が整えば、効果的な支援措置を
実施する用意はできている」と述べた。

ドラギ総裁はまた「(OMTの)コンディショナリティと
厳格な条件を同一視する傾向があるが、条件は必ずしも
懲罰的である必要はない」とも言明した。

一方、ECBが保有するギリシャ国債ロールオーバー
(借り換え)を通じギリシャを支援する案については、
政府への財政ファイナンスにあたり、
規則に反するとして退けた。

総裁は、この日の理事会で
利下げは議論されなかったと述べた。

これにより来月に利下げが実施される可能性は
後退したものの、一部アナリストは引き続き、
年内の利下げ実施を予想する。

総裁はインフレについて「高水準のエネルギー価格と
一部ユーロ加盟国における間接税引き上げを受け、
インフレ率は2012年中は2%を上回る水準に
とどまる見込みだが、来年には同水準を再び下回る」と予想。

「したがって現在のインフレ水準は一時的となり、
二次的影響にはつながらないはずだ」と分析し、
コストと賃金、物価の動向を引き続き注視する考えを示した。

今回の理事会はスロベニアで開催。

ECBは年2回、本部のある
フランクフルト以外で理事会を開いている。