TIBORのあり方、国際動向など踏まえ金融庁の考え示す=金融相

中塚一宏金融担当相は5日、ロイターなどとのインタビューに応じ、
東京銀行間取引金利(TIBOR)のあり方について「国際的な動向を踏まえ、
全国銀行協会での議論も注視しながら、必要があれば金融庁としての
考え方を述べていくようにしたい」と語った。

金利の不正操作があったロンドン銀行間取引金利
LIBOR)の改革を踏まえて述べた。

LIBORをめぐっては、当局が監督することなどを
盛り込んだ改革案を、英金融サービス機構(FSA)が
9月に公表した。

中塚金融相は、TIBORのあり方に触れ「第一義的には
指標の決め方について、全銀協自身が考えを示すべきだ」とし、
全銀協でしっかり議論することが重要だと指摘した。

こうした全銀協の取り組みを踏まえた上で
LIBORの改革案が議論され実行されるのを
よく見ながら、金融庁の考えを示したい」とした。
ただ、その時期については明言を避けた。

金融相は、企業の公募増資の未公表情報に基づいて
不正に株式取引をする「増資インサイダー」の問題にも言及し
「(不正への)抑止力をもつ課徴金制度にしていかないといけない。
情報漏えいにしても同じことだ」と、現行規制の見直しに意欲を示した。

金融機関の実務に影響を与えないよう配慮するのは
当然だとしながら、事案の重大性を考えれば
「高いハードルであったとしても、
必ず乗り越えなければならない」と強調した。

インサイダー規制の見直しは、
金融審議会が議論している。

金融相は「論点を尽くすことが重要だ」と強調する一方、
日本の金融資本市場の活性化には「公正性・透明性の
確保は不可欠」とも指摘。

「できるだけ早めに取りまとめたい」
との考えを示した。

現行のインサイダー規制は、証券会社などが
未公表情報を伝達・漏えいしただけでは
処罰されないほか、顧客の預かり資産を
運用する中で不正を働いた場合の課徴金額が
諸外国に比べて低いことから、不正取引の
抑止効果が低いと指摘されている。

金融相は、証券や商品などを一元的に扱う
総合取引所の制度整備を盛り込んだ
金融商品取引法の成立を受けて「(取組みを)
あとひと押しふた押し進めることで、
アジアのメーンマーケットを作っていきたい」
との意向を改めて示した。

金融相は「各取引所の経営判断ということが
大前提だ」と前置きしながら「今のままで、
今まで以上にやっていけるのかも、
検討の材料にしてほしい」と指摘した。

地方の取引所については「リージョナル(地域)の部分で
頑張っていけるとの経営判断であれば、それはそれで
努力してもらうことになる」と述べるにとどめた。